政治そのほか速
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開業以来、赤字経営が続いていた第3セクター・北近畿タンゴ鉄道(KTR)は4月、京都丹後鉄道(丹鉄)として生まれ変わる。新たに運営を担うのが、高速バス会社を親会社に持つ「ウィラートレインズ」。初年度から乗客増による黒字化を目標に掲げる村瀬茂高社長に、再生策を聞いた。(中山亨一)
――赤字路線のKTRから運行を引き継ごうと考えた理由は。
地方の活性化には都市と結ぶ交通ネットワークが必要と考え、2006年度に高速バスに参入した。約10年かけてほぼ目標を達成したので、次の10年は地方の交通革新を図りたい。地方交通の基軸は鉄道だ。ちょうど、KTRが運行委託相手を公募していたので応じた。
――交通革新とは具体的にはどうするのか。
現在の丹後では、鉄道などの運賃が高い割に利便性が良くないため、マイカー中心の生活になっている。そこを変えていきたい。
具体的には鉄道を基軸に、路線バスやタクシーなどと連携して公共交通のネットワーク化を図り、利便性を向上させる。マイカーがなくてもストレスを感じることなく、買い物や病院への通院ができるようにしたい。
――公共交通を改善すれば、地域活性化につながるのか。
マイカーは目的地までの移動で完結するので、町にお金が落ちにくい。乗り降りが必要な公共交通の利用が増えれば、駅を中心とした人のにぎわいが生まれる。
――新年度の利用客を、13年度よりも24万人増の210万人としているが、達成の見込みはあるのか。
観光客よりも、沿線住民の利用を促すことが重要だ。「KTRは運賃が高い」「いつ列車が来るのか分からない」といった印象から利用客が遠のいていた。沿線住民に移動手段として鉄道を使うという発想が、そもそも乏しいのではないか。
例えば京丹後市や宮津市では、65歳以上の住民は片道200円で乗り放題のパスがあるが、知らない人も多い。便利であることをPRしていけば、乗客を増やすことができる。
――その方法は。
手頃な料金で使えることが大切。週末や祝日限定で家族4人まで2200円で乗り放題となる「家族切符」や、孫と祖父母で利用できる「乗り放題切符」など、沿線住民向けに割安感のある企画切符を用意した。インターネットを活用してPRし、住民に選んでもらえるようにする。乗客アンケートなど市場調査も実施して、「こんな鉄道があったらいいな」といったアイデアを集めて実現していく。
鉄道会社は元々、沿線に住宅街を作ったり、駅にデパートを作ったりして街づくりを担ってきた。私たちの使命は、地域の潜在的な価値を発掘し、それを高めることだと考えている。
◇介護記録を電子出版した 川村 啓子さん 60
「壊れていく…」。この言葉でしか母を表現する言葉は見つからない。
2011年4月。85歳だった母静江さんは、おかしな言動が目立つようになり、手当たり次第に物を投げ、「殺してやる」と叫んだ。認知症を疑ったが、診断の結果、持病だった生活習慣病の影響らしかった。
以前から「介護は在宅で」と決めていた。彦根市佐和町の自宅で母が寝付いた後、ありのまま記録をつけた。
母はほとんど飲食ができず、おかゆでも米3粒ほどしか口にしなかった。「このままならあと2、3週間の命」。地元の医師、松木明さん(67)にそう告げられた。幻覚も現れた。
5月3日、夜12時頃から覚醒がまた始まった。「早よしてえな」と大声でうなり続けた。こうして人間は死んでいくのか。寝られない一夜。私自身も壊れていきそうだ。
◇
「介護は大きなゴールを望んではいけないマラソンです。あまり頑張らないで、時々息抜きをして続けて下さいね」。知人で地域医療に通じた北海道の医師、村上智彦さん(54)に再々、メールで励まされた。
雅楽が好きな母の枕元で、「琵琶湖周航の歌」を竜笛で吹いた。歌が返ってきた。眠らせるときは、赤ちゃんに接するように肩を軽くたたいた。少しずつ落ち着いていった。
6月になり、食べるおかゆの量が指の先くらいに増え、検査の結果も好転した。
松木さんの往診は続き、母はとびきりの笑顔で迎えた。「おしりみせるの恥ずかしい…」。母はまた乙女心になった。
翌12年4月。「レ・ド・レ・ミ・ソ・ミ・レー」と、君が代を音階で口ずさんだ。触れたこともなかった家のピアノで教えると、「ほたるこい」「ねこふんじゃった」など、13曲も弾けるようになった。
母の頭はまったく普通になっていった。
これが在宅医療や在宅介護なんだ。家で母をみてよかった。家には力があるんだと思った。
11月。母は県の「あったか介護ありがとうメッセージ募集事業」で優秀賞を受けた。
〈いつも、オムツかえてもらっている時、心の中で「ありがとう、ありがとう。」とゆうてるの、あんたには伝わったらへんやろう。〉
「涙とともにありがとう」というタイトルで、ひたすら娘への感謝がつづられていた。
そして、13年1月30日。87歳の母は「えらいから寝かせて」と言った。
まだぬくもりがある母の体を両手でだきしめた。「ずっとそばにいてて」。それが母の最期の言葉だった。
2年弱の記録は400字詰め原稿用紙約200枚になり、今年2月に電子出版した。
幸せな最期を迎えるにはどうすればいいか――読む人に考えてもらえたら、との願いを込めて。(布施勇如)
◇メモ
彦根市生まれ。ピアノや書道の教室を開く傍ら、2010年に「彦根市の地域医療を守る会」を作り、代表を務める。市民向けの勉強会を通じ、かかりつけ医を持つことや予防医療の重要性などを訴えている。
電子書籍「母の恋人 松木先生 私の恋人 村上先生」(300円)は、アマゾンのキンドルストアで購入できる。
戦国時代、鉄砲集団「雑賀衆」を率いて、織田信長と死闘を演じたとされる雑賀孫市にちなんだ「第11回孫市まつり」(孫市の会主催)が29日、和歌山市中心部で開かれた。俳優の榎木孝明さんが監修した野外劇が上演され、多くの市民らが見入った。
甲冑(かっちゅう)を身にまとった孫市の会のメンバーや県内外の歴史愛好家ら約100人が、雄たけびを上げて和歌山城を出発。雨の中、本願寺鷺森別院までの約2・5キロを1時間ほどかけて練り歩いた。
同別院に到着すると、行列の参加者らが雑賀衆と信長軍に分かれて野外劇を披露した。刀や槍(やり)を交えたり、大きな音を響かせて火縄銃で空砲を放ったりするたび、集まった市民らが大きな拍手を送っていた。
野外劇を見守った榎木さんは「どの時代劇にも負けない、迫力ある殺陣だった」と絶賛。雑賀衆の武将を演じた和歌山市紀三井寺、会社員東規行さん(48)は「榎木さんの指導で、力強い演技ができた」と満足そうだった。
岐阜県博物館(岐阜県関市)は22日、羽幌町で、太古に絶滅した海獣「パレオパラドキシア」の世界最古の化石を発見したと発表した。同館の河部壮一郎学芸員(29)と、東京大大学院生の松井久美子さん(26)との共同研究で判明した。7月に日本古生物学会の研究誌に掲載される。
パレオパラドキシアは太平洋沿岸に1300万年前頃まで広く分布した哺乳類で、ゾウやマナティー、ジュゴンなどに近いとされるが、絶滅しているために生態は謎に包まれている。
化石が見つかったのは2010年6月。同町の築別川上流域で、右肩部分の三つの骨が見つかり、関節がほぼつながった状態だった。これまで埼玉県小鹿野町で見つかった約1900万年前の化石が最古とされていたが、地層の年代などから、2400万~2100万年前の化石とわかった。骨の形状や大きさなどから、これまでの標準的な体長(2~3メートル)よりも小柄(1・5メートル)であることも分かり、河部学芸員は「新種とまでは言い切れないが、進化を考える上で考察が必要」と語った。発見場所も最も北といい、松井さんは「生息域は従来の推定より広がった」と話した。
同館では5月6日まで、化石を展示している。問い合わせは同館(0575・28・3111)。
名古屋鉄道は23日、2027年のリニア中央新幹線の開業に合わせ、完成を目指している名古屋駅再開発の基本計画を発表した。それによると、対象エリアは名古屋駅東側の南北約500メートルの計2万8000平方メートルで、隣接するビルを所有する近畿日本鉄道や三井不動産、新たに計画に加わる日本生命が共同でホテルやマンション、オフィス棟など高層ビル3棟を建設する。
山本亜土社長は23日の記者会見で、再開発の狙いについて「名古屋の国際競争力の強化に資する施設を備え、利便性の高い交通拠点、にぎわいや文化の中心地、心に潤いをもたらす都心のオアシスとして整備したい」などと述べた。
3つのビルは、空中回廊や地下通路などで結ばれる予定で、16年度末までに詳細な全体計画を作成し、20年をメドに着工する方針だ。
名鉄百貨店や近鉄パッセ、ヤマダ電機が出店するビルの北側のエリア「駅街区」に高級ホテルやオフィスが入る高層ビルを建て、下層階に商業施設やバスターミナルを設ける。地下の駅には新たに中部空港行き列車の専用ホームを設置することを検討する。新しい商業施設にこれまで通り名鉄百貨店が入るかどうかは「未定」(山本社長)という。
一方、愛知県道笹島交差点をはさんだ「南街区」の名鉄レジャックビル跡には、ビジネスホテルやマンションが入るビルを建て同交差点の上で連結し、空中に商業施設を設ける。さらに南の日生笹島ビル跡地にも高層のオフィスビルを作る。