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岐阜県博物館(岐阜県関市)は22日、羽幌町で、太古に絶滅した海獣「パレオパラドキシア」の世界最古の化石を発見したと発表した。同館の河部壮一郎学芸員(29)と、東京大大学院生の松井久美子さん(26)との共同研究で判明した。7月に日本古生物学会の研究誌に掲載される。
パレオパラドキシアは太平洋沿岸に1300万年前頃まで広く分布した哺乳類で、ゾウやマナティー、ジュゴンなどに近いとされるが、絶滅しているために生態は謎に包まれている。
化石が見つかったのは2010年6月。同町の築別川上流域で、右肩部分の三つの骨が見つかり、関節がほぼつながった状態だった。これまで埼玉県小鹿野町で見つかった約1900万年前の化石が最古とされていたが、地層の年代などから、2400万~2100万年前の化石とわかった。骨の形状や大きさなどから、これまでの標準的な体長(2~3メートル)よりも小柄(1・5メートル)であることも分かり、河部学芸員は「新種とまでは言い切れないが、進化を考える上で考察が必要」と語った。発見場所も最も北といい、松井さんは「生息域は従来の推定より広がった」と話した。
同館では5月6日まで、化石を展示している。問い合わせは同館(0575・28・3111)。