政治そのほか速
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東京電力福島第1原発で10日、放射線量が極めて高い1号機原子炉格納容器にロボットを投入し内部調査を始めた。事故で炉心溶融した1~3号機の格納容器内にロボットが入るのは初めて。
10日は格納容器内の1階部分を半周回り、13日に残り半周を調べる。最終的には溶融燃料が大量にあるとみられる地下中心部の調査を目指しており、今回はその第1段階。調査の結果を踏まえ、本年度末以降に地下の調査に入る予定。
調査では格納容器の貫通部にある直径10センチ程度の配管から、長さ約60センチ、高さ約9・5センチの棒状のロボットを投入。
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海上保安庁は10日、プレジャーボートなどの小型船向けに、気象情報や事故の多い海域といった情報を提供するスマートフォン用サイトを試験的に開設した。問題がなければ7月から正式に運用する予定だ。
昨年事故を起こした船2158隻のうち、プレジャーボートは約4割の932隻。器材を積みにくい小型船はレーダーや無線で気象情報などを得るのが難しい。ただ、事故のほとんどは携帯電話の通じる沿岸で起きており、海保はスマホを使った情報提供で事故の減少を目指す。
新たなサイトは、パソコン用のサイト「MICS」を改良したもので、スマホの全地球測位システム(GPS)を使って周囲の地図を表示し、風の強さといった気象状況などを記号で示す。
海難の多い場所や定置網の場所なども新たに加え、座礁しないよう注意喚起。燃料切れや整備不良が原因の遭難も多いため、出航前の船の点検に役立つチェックリストも表示される。
サイトのアドレスはhttp://www6.kaiho.mlit.go.jp/sp/index.html。
子供が起こした事故が原因で死亡したお年寄りの遺族が子供の両親に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は9日、「通常は危険がない行為で偶然損害を生じさせた場合、原則として親の監督責任は問われない」との初判断を示した。
そして1、2審の賠償命令を破棄し、遺族側の請求を棄却する判決を言い渡した。両親側の逆転勝訴が確定した。ほとんどの事故で親の監督責任を認めてきた司法判断の流れが変わることになる。
裁判官4人全員一致の判断。判決によると、2004年2月、愛媛県今治市の市立小学校の校庭で、放課後に子供たちがサッカーで遊んでいた際、小6男児(当時11歳)がフリーキックの練習で蹴ったボールがゴールと高さ1・3メートルの門扉を越えて道路に転がった。これをよけようとしたオートバイの男性(同85歳)が転倒し、足の骨折などで入院して約1年4か月後に肺炎で死亡した。
1審・大阪地裁、2審・大阪高裁はともに、男児に過失があったと認める一方、11歳だったことから責任能力はないと判断。上告審ではこれを前提に、親の監督責任の有無が争点となった。
判決はまず、男児の行為について「開放された校庭で、設置されたゴールに向けてボールを蹴ったのは、校庭の日常的な使用方法だ」と指摘。「門とフェンス、側溝があり、ボールが道路に出るのが常態だったとも言えない」とした。
そして、親の責任について、「人身に危険が及ばないように注意して行動するよう、子供に日頃から指導監督する義務がある」と言及。ただ、今回の男児の行為について「通常は人身に危険を及ぼす行為ではなかった」とした上で、「両親は日頃から通常のしつけをしており、今回のような事故を具体的に予想できるような特別な事情もなかった」と監督責任を否定した。
2審判決は、親の監督責任について「校庭ならどう遊んでもいいわけではなく、それを男児に理解させなかった点で両親は義務を尽くしていない」と判断、両親に約1180万円の賠償を命じていた。
遺族側は、今治市には賠償を請求しておらず、訴訟では学校側の安全管理の当否は争点にならなかった。
◆親の監督責任=民法714条は、責任能力のない子供が事故などを起こした場合、「監督義務者」の親が賠償責任を負うと定めている。親がいない場合は、親代わりの未成年後見人や児童福祉施設の施設長が責任を負う。監督義務を怠らなければ責任を免れるが、免責を認めた判決はほとんどなかった。
◆最高裁判決の骨子◆
▽親は、子供が人身に危険が及ばないよう注意して行動するよう、日頃から指導監督する義務がある
▽通常は危険が及ばない行為で、たまたま損害を生じさせた場合は、具体的に予見可能だったなどの特別な事情が認められない限り、監督義務を尽くさなかったとすべきではない
【ペリリュー(パラオ)=沖村豪、太田雅之】天皇、皇后両陛下は9日、戦後70年の「慰霊の旅」として太平洋戦争の激戦地、西太平洋のパラオのペリリュー島で戦没者を慰霊し、同日夜に帰国された。
日米両軍で約1万2000人が戦死した同島では、日本と米国のそれぞれの慰霊碑に供花された。10年越しで願い続けたパラオ慰霊を実現させ、平和への思いを新たにされた。
両陛下は同日午前、宿泊先の海上保安庁の大型巡視船「あきつしま」からヘリコプターで同島に入られた。島の最南端に立つ日本政府の「西太平洋戦没者の碑」の供花台に、日本から持参した白菊の花束を供えた後、静かに深く黙とうをささげられた。
さらに、南西の方角に見えるアンガウル島に向かって黙礼された。同島でも、約1100人の日本守備隊が玉砕している。
慰霊碑前では、二つの島でわずかに生き残った元兵士や遺族らが見守り、慰霊後、両陛下が「大変でしたね」「お元気で」とねぎらいの言葉をかけられた。
終戦を知らずに2年近くも洞窟に潜んで戦いを続けた34人のうちの1人、土田喜代一(きよかず)さん(95)は「国のため命をささげた戦友も喜んでいるでしょう」と感激した様子で話した。
続いて両陛下は、米陸軍第81歩兵師団の慰霊碑を訪ね、花輪を供えられた。慰霊碑は、1944年9月に米軍が上陸したオレンジ・ビーチのそばに立つ。激しい砲撃や白兵戦が行われ、両軍の兵士の血で染まったとされるビーチを静かに見つめ、再び黙礼された。
慰霊には、終戦までの約30年間、日本の統治下にあったパラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島の3か国の大統領夫妻も同行した。戦時中の3か国での戦死者は4万1000人以上とされる。
3か国などでの慰霊は、両陛下の希望で2003年にも検討されたが、交通事情などから中止され、移動手段や宿泊先に民間機やあきつしま、ヘリコプターを使うことで実現した。
両陛下は9日夕にパラオ国際空港を出発し、同日夜、東京・羽田に帰国された。