政治そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
浦和のホーム埼スタで健闘した松本山雅 [写真]=Getty Images
「松本はもともとサッカー専用スタジアムがあって、(地域住民の)チームに対する愛情もあった。そういう環境の中で、僕は仕事をやりやすい。現場で一生懸命やっていることがサッカー文化としてついてきたんだと思います」
0-1で浦和レッズに敗れた後、「松本に根付いているサッカー文化」について問われた時のことだ。記者会見で松本山雅FCの反町康治監督は、そんな話をした。
J1リーグ第4節。松本は敵地埼玉スタジアムのピッチに立った。
「アルウィンも素晴らしいですが、埼スタも一人ひとりが声を出して、それが響いてくるような感じが“浦和のホーム”なんだなって感じました」(GK村山智彦)
「埼スタはアウェイ感がすごくあった。そういうスタジアムで試合ができたことはうれしい」(MF岩上祐三)
キックオフ直前の選手たちは少し緊張しているようにも見えた。3万人を超す大観衆と、スタジアムのいたるところから聞こえる「WE ARE REDS」の歌声。浦和が作りだすJリーグ屈指の空気感は、重く強く相手に届く。これまでに経験したことのないような雰囲気は、まさにアウェイだったはずだ。
だが、いつもどおりの風景もあった。この日も多くの緑色で埋まっていた松本のゴール裏。そして、メインスタンド上層部。選手入場時には、スタンドに立ちタオルマフラーをたくさんのサポーターが掲げていた。
「今日も一つになって、追い求めろ俺らと信州・松本のFOOTBALLを 行け、山雅」
真っ赤なスタジアムの中で聞こえた「松本山雅コール」は、どれほど選手たちに力を与え、戦う勇気に変えてきたのだろう。0-0で迎えた試合終盤。その声は一層大きくなっていった。選手たちの足が止まらないように、歌声も鳴り止むことはなかった。
85分に浦和のDF森脇良太の素晴らしいゴールが決まった後も、敗戦が決まった後も「まだまだ」と言わんばかりの大声援は聞こえていた。だからこそ、選手たち、監督は言葉を続けるのだ。
「今日もたくさんのサポーターが来てくれた。こういう素晴らしいスタジアムで試合ができたことは幸せなことだけど、でも勝ち点3を取れなかったことが悔しい。この敗戦を次に生かさないといけない」(DF田中隼磨)
「これ以上は求めることができないくらいに、最後の笛がなる瞬間まで選手たちはよくやった。こういうスタジアムでのプレー経験を持つ選手も少なく、浦和のリズムの中でもよく抑えたと思う。下を向く必要はないし気持ちを切り替えてホームでの戦いに備えたい」(反町監督)
チームとサポーターがともに歩み“松本”のFOOTBALLは育まれてきた。それが文化として根付いている証が、ゴール裏のあの光景であり、アルウィンの景色なのだ。
試合後、悔しさににじむ表情のまま、選手と監督はスタンドに頭を下げた。送られた拍手はやっぱり、最後の選手の姿が見えなくなるまで続いていた。悔しさはスタンドに届き、声援はピッチに届いていた。
だから――。松本山雅が松本の象徴であり続けるように、彼らは変わらずに歌い続けている。その歌声を誇りに選手たちは戦っている。一緒に戦う仲間にブーイングはいらない。そんな思いを感じる90分が、ここにはあるのだ。
「現状に満足せず、どんどん前に突き進みたい」と、冒頭の質問の最後に反町監督はそう口にした。松本の次節は、ホーム・アルウィン。次こそは松本の地にJ1初勝利を。そして鳴り止まない歓喜の歌声を。松本に根付く“文化”に新しい1ページが開く瞬間が、もうすぐやってくる。
本記事は「サッカーキング」から提供を受けております。
著作権は提供各社に帰属します。
整体師の大山奏です。あなたがこの春に絞りたいターゲット部分はどこですか? おなか周りや太ももという人が多いかもしれませんね。身体はまんべんなく鍛えることも重要ですが、具体的な目標を作るとモチベーションも上げやすくなりますよ。
今回は、内転筋と腹斜筋を鍛えるトレーニングをご紹介します。
肩肘と脚で身体を支える「サイドプランク」の状態からスタートします。下になっている方の脚の膝を曲げ、上下に動かします。
最初の姿勢
脚の付け根を動かすイメージで、脚を上下動
サイドプランクの状態を作るときには、上になる方の足をしっかりと着きます。空いている方の肘は腰に置き、腹筋・背筋の力を抜かないように気をつけながら、下の脚の膝を曲げます。曲げる角度は90度以下ならどれくらいでもOKです。
膝を動かすときには、脚の付け根部分から動かすイメージを持ちましょう。脚を持ち上げるときに、太ももの内側の筋肉にしっかり力をいれます。
脚の付け根から膝を下に動かす
脚の付け根から膝を上に動かす
腰が下がってしまうのはNG
プランク関係の筋トレのときに共通するNGは、腰が下がってしまうことです。普通のプランクでもバックプランクでもサイドプランクでも、身体が常に一直線になっている状態を維持できるようにしましょう。
今回はサイドプランクで、脚を上下に動かすので、脚を下げたときに腰も一緒に落ちがちです。しっかりと腰の高さは保ったまま、脚だけを動かしてみてください。
腰が落ちているのはNG
左右交互に10回×2セットからスタート
最初は上下に動かすことを1回として、左右交互に10回×2セットを目安に行ってみてください。脚の上下はゆっくりと。身体の芯がぶれないかを慎重に確認しながら行います。
バランスを崩して前や後ろに身体が倒れそうだという人は、最初は少し上の手で床を支えても構いません。その代わり脚の動きは大きくしっかりと。慣れてきたら、手を腰にあててみてください。
普段の生活の中でも身体を一直線にすることを意識してみると、それだけで姿勢もよくなり周りからの印象も変わります。日常の中にも筋トレを意識した動きを入れてみてくださいね!
筆者プロフィール: 大山 奏(おおやま かなで)スピリチュアルと運動が好きなアウトドア系ライター。整体師。癒やしを与えられる人になろうとアロマテラピーインストラクター・セラピストへ向けて勉強中。ストレス解消法は神社巡りと滝行。スピリチュアル系雑誌の執筆から脳科学・恋愛記事まで、興味のあるものには迷わず挑戦している。ブログ「ひよっこライター大山奏」では、日々の出来事を思うままにつづっている。また、これまでのさまざまなストレッチをまとめた電子書籍も販売中。
完封勝利を挙げたFC東京 [写真]=瀬藤尚美
指揮官の母国では“ウノゼロ”、野球でいえば“スミイチ”といったところか。結果として“イチゼロ”に終わった試合後、守備の国イタリア出身のマッシモ・フィッカデンティ監督は、賛辞の言葉を口にした。
「後半にあったPKのチャンスの後、本来ならば選手たちが恐怖心を持つような時間帯でも、非常に落ち着いてプレーを続けたことは素晴らしかった」
4日に行われたJ1の1stステージ第4節、FC東京はヴァンフォーレ甲府を1-0で下した。63分に訪れたPKのチャンスを含めて、シュートがポストを叩くこと2度。一方、同点を狙う甲府は、189センチの長身を誇る盛田剛平を狙ってロングボールを蹴り込んでくる。
「恐怖心」という表現も思わず頷けるような流れながら、しっかりと勝ち点3を掴んだ。「後半は相手がどんどんロングボールを多用して押し込んできたが、しっかりとオーガナイズされた状態で対応できた」と指揮官が口にすれば、主将の森重真人も「チームとしては90分間通して安定していたと思う。守備のところで全員で最後に踏ん張れた」と振り返る。
チャンスを作りながら追加点を挙げられなかったが、甲府のシュートを4本に抑え、決定機すら与えなかったところが勝敗のミソか。15分にロングボールに抜け出し、左足で決勝弾を蹴り込んだ石川直宏も、守備で最後まで相手を追い回した。「これが今年目指している形。追加点を取っていれば一番いいが、最後までみんなが体を張って守り切ったので、価値ある勝利だった」と、充実感を漂わせる。
今季は、開幕戦でこそ2失点を喫したが、現在3試合連続無失点中。最後尾に構えるGK権田修一が語った「今日の試合で言えば、ゼロでしか勝てなかった。守備をしっかりしないで上にいるチームはない」という言葉も、手応えの裏返しか。
2ステージ制となり、早くも1stステージの約4分の1を消化。タイトルに向けて、2勝2分けと悪くない出だしとなった。ところが、母国なら礼賛されそうな試合展開にも、指揮官は「はっきりしているのは、攻撃面で少し精度が足りなかったところ」と改善点も忘れない。DFながらチーム最多のシュート4本を放った森重も、「PKの時点で自分が決めていればもっと楽に試合を進めていたと思う。ヘディングがポストに当たったシーンもあったので、自分が試合を難しくした」という猛省ぶり。
フィッカデンティ体制の2年目。“イチゼロ”の更なる上を目指し、伸びしろもまだまだありそうだ。
本記事は「サッカーキング」から提供を受けております。
著作権は提供各社に帰属します。
販売実績や売り上げなど数字で確証を得られる“トレンド”。
もちろん「自撮り棒」のようにはっきりした数字が出なくとも世間の傾向など身の回りからわかるものもあるが、不思議なのはファッショントレンドだ。
毎年、しかもシーズンごとにファッション誌には「この春のトレンドは○○!!」などの文句が表紙を飾る。そのサイクルの早すぎることといったら。「そんな毎度毎度、変わるのかよ!? マスコミお得意の誘導か?」と内心呟く人もいるはずだ。記者も正直そのひとり。
そこで、一体この“ファッショントレンド”はどうやって作られるのか。踊らされたくないので、スタイリストの梅林裕美さんに聞いてみた。
「えー、業界で働きながらなんでマスコミ不信なのかわからないですけど、ファッション誌は関係ないですよ」
えっ? 何それ、もう話が終わってしまったしバカみたい…。じゃあ誰が作ってるんですか!
「では、最初から順を追って“ファッショントレンド”が消費者に届くまでを説明しましょう。まず一番最初に決まるのは“色”からです。これは日本の『日本流行色協会』(JAFCA)も含めた世界15カ国でなる『国際流行色委員会』が約2年後の世界のトレンドの色を決めます。これはファッションに限らず、車やコスメ、家電なども含まれます」
2年後って!? いま流行りの色はそんなとこですでに決められていたのか! というか、それってただの決めつけじゃ…。
「そこまで詳しくはわかりませんが、様々な傾向を調査・研究しているので確証はあると思いますよ。ちなみにそれを踏襲して日本でトレンドになる“JAFCA ファッションカラー”が決まります。2015年春夏のメンズは(1)様々なブルー、(2)様々なグリーンと強い光のイエロー、(3)ホワイトとホワイティッシュカラー、(4)ブラック×ビビッドカラーとなります」
なんて幅広いんだ!? 主要な色でいえば、赤さえ外せば問題ないじゃん! まぁそんなツッコミは置いといて次は?
「色が決まったら、それを基に欧米各国のトレンド情報会社、通称“スタイリング・オフィス”が素材やシルエットなどのトレンドを決めます。有名どころでいえば1947年に世界で初めて作られたファッション企画情報会社『カルラン・インターナショナル』などですね」
なるほど、そんな秘密機関のような会社があったとは! こいつが夜な夜な談合して世のトレンドを誘導してるってわけ?
「え~、なんでそんな反抗的な…。スタイリング・オフィス自体は何社もありますし、それぞれ独自でですが、先ほどの色と同じように調査・研究して決めているんです。この発表を参考にデザイナーがデザインの基を考えたり、テキスタイル(服地)やヤーン(糸)のメーカーが開発を始めるので、そんな怪しさはないですって」
そうですか、スイマセン…。それで後はゆっくり仕込んで2年後の販売に備えるということですね?
「いえ、ここから糸や繊維などの展示会が行なわれます。これが1年半~1年前ですね。それで半年前くらいにデザイナーのコレクション、パリコレなんかは聞いたことあると思いますが、それが始まって『VOGUE』や『ELLE』などのレポートに発信されます。最初に消費者の目に届くのはここが初めてですね。また、アパレル業界に伝わるのもこの段階なので、そのトレンドに合わせて商品を作ります」
ようやく、ここで! 素材メーカーやデザインなどいくつもの要素があるから2年も前にざっくり決めておかないとダメなんですね!
「そうです、何も怪しさはありません。そして最後にすごく疑われていた雑誌に載る“トレンド”ですが、これはアパレルメーカーの商品ができてからになります。だから、雑誌がごり押ししているわけではありません(笑)」
大変失礼いたしました。マスコミ各位へお詫びいたします。
「ただ、この2年前から作られるトレンドも最近は通用しなくなってるんですよ」
ん? ファッション業界が築いた体制に何が起きたの!? やっぱりとんでもない親子の喧嘩とかがあって、内部分裂したり?
「いやいや、ただの進歩です(笑)。ユニクロやGAPなどで採用している「SPAモデル」が主流になってきたからです。これは企画から製造、小売りまで一貫して自社で行なうビジネスモデル。
これまでは基本的に外注だったのが、自社で行なうことでとんでもないスピードで商品が作れるんですよ。1,2週間かからず作れるので、シーズンが来て消費者の手に渡ってからでも間に合います。だからある意味、ストリート的になってきてるんです」
ストリートとは、ブランドなど商業は関係なく街中から起きるムーブメント。ストリートファッションといえば、B系やヒップホップなどが有名だ。つまり、いくらファッション業界が2年前からトレンドを決めても実際にその時が来て流行っているものだけを見極め、作ることができるというのだ。
「以前まではコレクションを参考にしてましたけど、今はシーズンの2~3ヵ月前に出る普通のファッション誌を見て作ってるアパレルメーカーも多いですよ。さらに当たってるものはすぐに追加生産して在庫管理という具合です」
意外と奥深いファッショントレンド。ちなみにこの春夏のメンズトレンドは、(1)デニム、(2)コート、(3)白スニーカー、(4)パジャマスーツ・ジャンプスーツ、(5)カラーグラフィック、(6)レイヤードなんだそう。
色と同じく、こちらも結構ざっくり(笑)。パジャマスーツはパジャマのように全体的にゆったりした軽い素材のスーツ、ジャンプスーツはいわゆるツナギだが…街中でそんな目にしないのはハズれたってことか!?
(取材・文・撮影/週プレNEWS編集部)
鈴木宗男・新党大地代表と、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏による対談講演会「東京大地塾」。
今回のテーマは、鳩山由紀夫元首相が日本政府の反対を押し切ってクリミアを訪問した真相と、2月末にモスクワ市内の橋の上で深夜に銃撃され暗殺された反プーチン派政治家の評判。今回も意外な話が次から次へと飛び出してきた!
(前編⇒http://wpb.shueisha.co.jp/2015/04/04/46056/)
佐藤 さて、2月27日の深夜、ロシアのネムツォフ元第一副首相がモスクワの橋の上で暗殺された事件についてです。
3月3日の『イスベスチヤ新聞』が殺害状況を一番詳しく報じてます。それによると「ロシア野党で最も目立った指導者のひとり、右派勢力同盟バルナスの共同議長、ヤロスラヴリ州議会議員であったボリス・ネムツォフ氏が2月27日23時40分、首都の中心で狙撃された。
これまでの捜査でラジオ局『モスクワのこだま』の放送の後、23歳のウクライナ市民アンナ・ドリツカヤと会うために国立百貨店のほうに向かったことが明らかになった。(中略)
ボリショイ・モスコヴォレツキイ橋の上で殺人者がネムツォフに向け、6回射撃し4発の銃弾が当たった。その際、ガールフレンドは被害を受けなかった」
そして大統領付属人権評議会がこの事件を再現し「答えを見いだすためにはたくさんの問題がある」と指摘しました。つまり「事件は迷宮入りになりそうだ」と強く示唆しているわけです。
ところで鈴木先生、このネムツォフさんには何回会われました?
鈴木 4、5回会ってますね。
佐藤 また会いたいですか?
鈴木 会いたくないですね。
佐藤 私も会いたくないひとりです。死者を悪く言いたくはないですが、ロシア人の中にも最低の人間はいますけど、彼は下から5番以内なのは間違いないですね。
鈴木 3番以内に入るでしょう。行儀が悪かったですね。
佐藤 2000年5月に北海道で彼が来て講演会をやるからアテンドしてほしいと言われたんです。ネムツォフさんが「芸者ハウスに行きたい」と言うから日本の伝統芸能に関心があるんだなと思って、鈴木先生にお願いしてベテランの芸者さんが3人いる料亭に連れていきました。
そこで芸者さんが素晴らしい演奏と歌と踊りを見せるんだけれども、ネムツォフさんは関心がなくて芸者さんを口説いている。
「いくつなの、お嬢ちゃん?」
「まあ、年なんて聞かないで」
それを私が通訳していましたが、あまりにもネムツォフがしつこく芸者さんの年齢を聞きたがるので「3人合わせて200歳を超えてるよ」と答えたら突然カンカンに怒って「私は帰らせていただく。一体どんな対応なのだ!」
あれは驚きましたね。今回の婚約者で一緒にいた女性は23歳のウクライナ人モデルで、3年前の反プーチン大会で知り合ったなんて、けけけ(笑)って話ですよ。
しかも先生、ロシアの平均年収は日本の6分の1ぐらいですよね?
鈴木 そうです。
佐藤 ネムツォフさんの2009年の政治資金報告書によると、その金額は8億5千万円となっている。
鈴木 日本ならば50億円近い金額。すごいですね。
佐藤 役職は日本でいうと県会議員で月給は18万円ぐらいなはずです。
鈴木 ビジネスも何もやっていないですからね。
佐藤 それから、彼女と行こうとしたネムツォフさんの家は10億円ぐらいします。六本木ヒルズなんて目じゃないような所です。ここは1930年代、スターリン時代の幹部用住宅で住んでいた人の8割が銃殺されている。
そういう意味では由緒正しい殺され方をしたんだけれども、私は彼はいずれ暗殺されると思っていました。自己中心的な性格で、政治権力と経済利権の追求に熱心で敵を多く作っていましたから。それに自己保身のためには平気でウソをつく人です。
私がモスクワ大使館にいた当時の日本側の担当は丹波實大使です。ふたりは波長が合っていましたね。
鈴木 それは、そうでしょう。
佐藤 義理と人情を欠き、平気で恥をかく。やはり類は友を呼ぶということでしょう。ここまで私がネムツォフを悪く言うのは、北方領土交渉に関して、彼はとんでもないウソをついたことがあるからなんです。彼のウソを『北海道新聞』が2008年9月17日付朝刊で記事にしたことがあった。
内容は1997年11月1日のエリツィン大統領と橋本龍太郎首相の会談で「エリツィンが北方領土四島の即時返還を提案したが、ネムツォフは大統領を説得して四島同時返還を諦めさせた」というもの。
この新聞報道に関しては、鈴木先生が質問主意書を出して、政府からそのような事実関係はなかったという回答を引き出しています。
鈴木 なぜ彼はそんなウソをついたんですかね?
佐藤 2008年はプーチン時代で、大国ロシア感情が高まり、領土を返すなとの流れが強くなってきた。そんなプーチンに近寄りたいネムツォフは、1997年の会談ではエリツィンがご乱心して北方四島を日本に返そうとしたが、それを愛国者の自分が必死に止めたと、こんな作り話をしたわけです。彼も息をするようにウソをつける人間ですからね。
ただ、プーチンが立派なのは、こんなウソつきは近寄らせなかった。
とにかく、この暗殺事件を日本から見ると、北方領土問題を混乱させる可能性があった人間が亡くなったことで、少なくとも日ロ関係のマイナスが少し減った。心からご冥福をお祈り申し上げます。
しかし、鳩山さんの投げたクリミア訪問という石は波紋を呼ぶでしょう。この結果、アメリカは警戒心を相当強めたので、年内のプーチン訪日はなくなったと思います。
鈴木 外交は積み重ねが大事なんですけどね。
質問者 積み重ねが大事な外交交渉に“ニワトリ理論”の鳩山元首相が今後、役立つことはあるでしょうか?
佐藤 それは「イスラム国」でしょう。大変なニュースになりますよ。ただし、客として遇してもらうかオレンジ色の服を着せられるかはわかりませんけどね。
ただ、「イスラム国」に友愛の精神で飛び込んでいく…なんて絶対しないところを見ると、やはり鳩山さんは計算はしているようですね(笑)。
(取材・文/小峯隆生 撮影/村上庄吾)
●鈴木宗男(すずき・むねお)
1948年生まれ、北海道出身。新党大地代表。2002年に国策捜査で逮捕・起訴、2010年に収監される。現在は2017年4月公民権停止満了後の立候補、議員復活に向け、全国行脚中!
●佐藤優(さとう・まさる)
1960年生まれ、埼玉県出身。外務省時代に鈴木宗男氏と知り合い、鈴木氏同様、国策捜査で逮捕・起訴される。外務省退職後は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、作家・評論家として活躍
■「東京大地塾」とは?
毎月1回、衆議院第二議員会館の会議室を使って行なわれる新党大地主催の国政・国際情勢等の分析・講演会。鈴木・佐藤両氏の鋭い解説が無料で聞けるとあって、毎回100人ほどの人が集まる大盛況ぶりを見せる。次回の開催は4月16日(木)。詳しくは新党大地のホームページへ