政治そのほか速
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果たしてスーツのせいなのだろうか。インドのモディ首相が先月、米オバマ大統領との会談の際に着用していたピンストライプのスーツがうわさの種となっている。ただの極細ストライプではなく、モディ氏のフルネームを小さな文字で書いたものだった。
その2週間後、モディ氏が率いる与党・インド人民党(BJP)は首都ニューデリーを含むデリー首都圏(州に相当)の議会選挙で新興の「庶民党」(AAP)に大敗を喫した。汚職撲滅を掲げるAAPのケジリワル党首のファッションで特徴的なのは頭に巻いたウールのマフラーだけだった。
■新興「庶民党」地滑り的勝利
オバマ米大統領(左)とインドのモディ首相。モディ氏のスーツはピンストライプで、その柄は自身の名前でできているものだ(1月25日、ニューデリー)=ロイター
モディ氏の服装を巡る判断ミスが、今回のAAPの地滑り的勝利のきっかけになった可能性はあるのか。2年前に設立されたAAPが、全70議席のうち67議席を獲得するという驚くべき結果だった。
もちろんそれがすべてではない。だが、それは今や国家権力の座に収まったモディ氏が、わずか8カ月前に自分をその座に押し上げた一般有権者の感覚とすっかり乖離(かいり)してしまったことの表れと見なされた。
デリー首都圏の住民はモディ氏に対し、有権者が与えたものを奪い取ることもできるのだという強いメッセージを発した。
AAPに絶大な権限を与えたのは事実上、この新興政党をオーディションにかける意味合いがある。AAPは大きくて扱いにくい首都圏の効果的な統治を約束したばかりか、インド政治の根本的な変革という壮大なビジョンを描いている。
AAPの長期的目標は、企業の資金が政党や選挙運動にひそかに流用され、透明性が欠如した腐敗の影響を排除して、色あせたインドの民主主義を浄化することだ。同党は政府が有力政治家やその背後にいる資金提供者ではなく、庶民により近い存在となり、説明責任を果たすことを求めている。
AAPがデリーでどんな活動をするかを、急速に都市化するインド全体がじっと見守っている。その一方で100年の歴史をもつ「国民会議派」は、政治活動に身が入らないラフル・ガンジー党首の下でゆっくりと崩壊に向かっている。同氏はかつて輝きを放った「ネール・ガンジー王朝」の御曹司だ。
インドのシンクタンク、政策研究センターのプラタープ・バーヌ・メータ所長は「モディ氏もケジリワル氏も古い秩序からの脱却という願望を象徴している。つまり変化と清新さへの願望だ」と指摘した。
「システムが腐敗している場合、『誰かがこの事態を一掃してくれる』または『自分もそれに参加したい』というのが合理的な反応だ」と同氏は説明する。