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“サードウエーブ”と呼ばれるコーヒーのムーブメントが注目を集めている。その筆頭が先月6日に東京・江東区の清澄白河にオープンした「ブルーボトルコーヒー」だ。
2002年に米・カリフォルニア州で創業し、現在は米国内に16店舗を展開するコーヒーチェーンだが、海外進出は日本が初めて。そのプレミアム感も手伝い、初日から大行列ができた。
週プレ取材班も開店30分前(朝7時半)から並び始めたが、結局コーヒーにありつけたのはなんと約2時間後! コーヒー一杯になぜ? そもそも、“サードウエーブ”って何?
「実はちゃんとした定義はないのですが、コーヒー豆の産地や生産者にこだわり、店員が1杯ずつ丁寧にいれるスタイルをサードウエーブ(第3の波)と呼んでいます。
ちなみに、これも諸説ありますが、“第1の波”は輸出入の技術が進歩して世界中でコーヒーが飲まれるようになった1960年以前、“第2の波”は深煎りの味にこだわるスターバックスなどの大手コーヒーチェーンが世界に進出した90年頃までを指すといわれています。
コーヒー豆は焙煎すると酸化が進み、時間の経過とともにどんどん風味が落ちるのですが、ブルーボトルコーヒーは焙煎後48時間以内の豆しか使用しません。そんなこだわりもおいしさにつながっているのです」
こう解説するのは都内のカフェを中心に取材するフードライターのK氏。
しかし、どんなコーヒー店でも豆にこだわり、1杯ずつ丁寧にいれるのでは? サードウエーブはどこが違うのだろう。
「一番の違いはコーヒーの抽出方法。例えば、大手コーヒーチェーンはマシンを使って抽出します。利点は誰でも簡単に素早く均一の味のコーヒーをいれられること。店舗数が多く、店員の大半がバイトの大手は必然的にマシンを使うことになります。
一方、ブルーボトルコーヒーは半年前から店員を訓練し、オープンに臨んだそうですが、この方法は店員を育てるのに時間がかかる。創業から10年以上たってもブルーボトルが16店舗しかないのは、そんな理由もあるでしょう」(前出・K氏)
一杯ずつ丁寧にいれられたコーヒーを飲むには、現在も約1時間待ちという。それに見合う満足度かどうかは、実際に飲んで判断してみます?
(取材・文/井出尚志[リーゼント])
■週刊プレイボーイ11号「1杯1時間待ちの店も! コーヒー戦争ネクストステージ」より