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ハイアールアジアが、新たな開発拠点となる「ハイアールアジアR&D」を埼玉県熊谷市に設立した。投資額約70億円となる新拠点は、冷蔵庫やエアコンを中心とした基礎研究、企画、デザイン、設計、および品質管理に関わる業務を行うほか、世界で展開するハイアールグループの研究開発拠点の連携強化、産学連携の共同研究や共同開発を中心としたオープンイノーベーションを行う場としても活用される。
ハイアールグループは現在世界に5つのR&Dセンターを設立しているが、そのなかでも今回設立された熊谷の新拠点は世界最大規模。敷地面積12426.43平方メートル、事務棟6階建て、実験棟5階建て、別当2棟から成る。現時点での従業員数は約200名だが、年内にも300名まで増員する予定という。
3月19日に行われた開所式で、ハイアールアジア R&Dの社長兼CEOを務める伊藤嘉明氏は、「熊谷という場所を起点に、アジアから世界へとさまざまな良質な製品を生み出して行きたい。白物家電と黒物家電という垣根がなくなり、さらに家電業界とその他の業界も今後その境目がなくなろうとしている。そのような中、よりスピード感を重視しつつ、これまで他のメーカーでは出せなかったような製品を出していきたい」と胸を張る。例として挙げたのは、すでに発表した液晶ディスプレイ付きの冷蔵庫。さらには「IoT(Internet of Things/モノのインターネット)デバイスなど、今後はどんどんと製品化していきたい」と述べた。
開所式には、ハイアール家電産業グループ副総裁王氏、上田清司埼玉県知事、富岡清熊谷市市長ほか、同社がスポンサードする埼玉県民球団「武蔵ヒートベアーズ」の球団社長、石田涼太郎氏らが参列していた。
さらに、伊藤社長は今後の「ハイアールアジアR&D」の展開ついて、「この開発拠点はわれわれだけが研究開発に使うものではない。熊谷のさまざまな技術を持つ企業や大学、さらにはそれ以外の方たちにもどんどん使っていただきい。ハイアールの技術と他の企業のアイデアがうまく融合したり、いろいろなコラボレーションが巻き起こる場として活用し、さらにそこから新しいアイデアや技術などが生まれたらどんどん取り組んでいくつもりだ」と、誰にもオープンな場とすることを改めて強調した。
●99%は元三洋電機の社員たち
今後の同社の取り組みについては、「ハイアールアジアという中国の会社とはいえ、自分は日本人であり、組織自体も99%は元三洋電機の社員たちだ。…