政治そのほか速
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元タカラジェンヌが東日本大震災の被災地・宮城県で子どもたちに歌やダンスの楽しさを広める支援活動を続けている。4年前に母親をがんで亡くし、無力感から舞台を去った。被災地でボランティア活動をするうちに被災者の姿に励まされ、生きる希望を取り戻した。8日には大阪市内で講演、「今度は自分が被災地に夢と希望を届けたい」と語った。
宝塚歌劇団の月組で娘役として活躍した妃乃(ひの)あんじさん(31)=大阪市住吉区。母千鶴子さん(当時57歳)は2011年2月、「あなたのお陰で希望が持てた」という最期の言葉を残し、世を去った。歌劇団入りを応援してくれた母。練習を終えて深夜に帰宅し、介護する日々を送っていた。「母の所へ行きたい」と思い詰め、仏壇の前で泣き続けた。歌劇団もこの年の10月に辞めた。
そんな時、「誰かの力になれれば」とボランティアに訪れた宮城県石巻市で小学生の娘を津波でさらわれ、遺体を捜す女性に出会った。「どこにいるの」と叫びながらスコップで泥をかき続ける姿に「大切な人を失ったのは自分だけじゃない。悲しんでばかりでは駄目だ」と感じた。
以降、毎月のように被災地を訪れ、がれき撤去や遺体捜索を手伝ってきた。宮城県南三陸町の幼稚園や保育所では、歌やダンスの体験会を開いている。町立志津川保育所では震災前より子どもが30人以上減ったが、工藤和貴子所長(60)は「妃乃さんが歌うと、すぐにみんなが笑顔で歌い出す。明るい話題が少ない中、夢をもらっている」と話す。
妃乃さんは8日の講演で「震災を過去のことと思わず、ずっと心に留めてほしい」と訴えた。【茶谷亮】