政治そのほか速
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本日発売の「週刊新潮」(新潮社)3月12日号が、川崎中1殺害事件に関連した殺人容疑で逮捕された少年(18)の実名を顔写真入りで報じている。
記事は、事件に至る経緯ほか、少年のかつての問題行動、複数の非行歴なども報じており、顔写真は少年のツイッター上の写真を友人らに確認して掲載したという。
「週刊新潮」は今年1月にも、名古屋市の老女(77)を斧で殴るなどして殺害した疑いで逮捕された女子大学生(19)の実名と写真を掲載しており(2月12日号)、もはや、少年犯罪の実名報道は同誌にとってお家芸になっているといってもいいだろう。
だが、そもそも、少年事件の容疑者を実名報道することが毎度毎度、なぜこんなに話題になるのだろうか。逆にいうと、なぜ一般的には、少年の場合は実名報道をしてはいけないことになっているのか。
これは少年法の理念(第1条ほか)、そして同法第61条に「氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知」できるようにする出版行為を禁止する規定があるからだ。
しかし、一方で、第61条には罰則規定がもうけられていないため、事実上、メディア側が自主判断で実名報道することは可能だ。2000年2月には大阪高裁で、社会の正当な関心ごとであり凶悪重大な事案であれば、実名報道が認められる場合があると解釈できるような判断も下されている。
また、世論もまっぷたつにわかれている。更生可能性が残されている少年については、どんな凶悪事件であろうと実名報道すべきでないという人権派の意見がある一方で、「残忍な事件を起こしたケースでまで、実名を控える必要はない。むしろ、犯罪防止のためにも実名報道すべき」という声も根強い。
また、最近では事件が起きたら、すぐにネット上に実名と顔写真がさらされるのがパターン化されており、そもそも少年法61条が形骸化しているのではないか、という意見もある。
そこで、本サイトはマスコミが行ってきた”未成年の実名・写真報道”を振り返ることで、この問題をもう少し掘り下げてみたい。以下、年齢はいずれも事件発生当時のものとする。
そもそも、現在の新聞報道では未成年の実名などが報られることはほとんどない。だが、かつては違った。
『少年事件報道と法』(田島泰彦、新倉修・編/日本評論社)という本のなかに、戦後の少年事件報道をまとめた研究報告がある。そこから、未成年による殺人案件と報道の態様をいくつか取り上げよう。…