政治そのほか速
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どこにでも大挙して訪れ、一部はマナーの悪さで世界のひんしゅくを買っている中国人観光客が、ついに地球の最果てにまで到達した。
中国のホウハイ新聞によると、南極観光に訪れる中国人が増えており、傍若無人の振る舞いに出る者が後を絶たないという。
ある中国人カメラマンによると、撮影のために南極を訪れたところ、多くの中国人観光客と遭遇。彼らは、「夢中になりすぎて、ペンギンを追いかけたり、群れの中に入り込んで記念写真を撮ったりしていた」のだという。
実は南極にはさまざまな規制があり、ペンギンなどの動物を捕まえたり、群れを乱したり、餌を与えたり、触ったり、接触して驚かしたりすることは厳しく禁じられている。観察や撮影の際には、ペンギンや鳥は5メートル、アザラシは15メートルほどの距離をとることが求められている。
南極に上陸するためには南極条約(南極地域の平和的利用を定めた条約)に定められている許可が必要で、種々の規制については中国人観光客たちも事前に聞かされているはず。これには中国のネット民たちも「南極にまで行って恥を晒して、次は火星で恥を晒すのか!」とあきれている。
迷惑を被っているのは、追いかけ回されるペンギンたちだけではない。現地にある中国南極観測隊の基地も、同胞旅行者たちの“襲撃”を受けて困っているのだという。多くの旅行客が事前の承認なしに基地を訪れるため、隊員たちの作業に支障を来しているのだ。「押し寄せる中国人観光客の数が増えてきており、基地の観測活動が完全に乱れてしまっています」と、中国国家海洋局の主任も自国民の行動にはお手上げのようだ。
国際南極旅行業協会の統計によると、南極を訪れる中国人観光客の数は、2003~04年にかけてはたった37人だったのだが、10年後の13~14年には約100倍の3,328人にも上り、現在ではアメリカ人、オーストラリア人に次いで3番目に多いという。
「中国人観光客は、誰も行ったことのないところに行きたがる。帰ってきてから自慢できるから。そのためなら、いくらでも払う」と語るのは、南極ツアーを実施している香港の旅行会社の副社長。彼によると、先日の春節期間に行った全行程15日間の南極ツアーでは、費用が13万香港ドル(約200万円)という高額にもかかわらず、参加した人の3分の2が内地人(=中国人)だったという。
観光客が少しはしゃぎすぎる程度ならまだいいが、「南極は古来より中国固有の領土」などと言いだしたりしないことを祈りたい……。
(文=佐久間賢三)