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男性が洋式便器に座って小用を足す「座りション」が定着し、男女共用便器を使うときのマナーとして座位を促すステッカーが好評だ。男性の着座小便率が50%を突破したとの調査もある。とはいえ、体の構造の違いから“男の特権”とされてきた「立ちション」派も少なくないため、立位と座位のいずれでも小便の飛び跳ねを抑制する便器が登場した。(寺田理恵)
■「男のプライド」傷付けず
男性に「立ちション禁止」を促すため、男女共用の洋式便器に貼る「男性トイレマナーステッカー」を今年1月に発売したのは、屋外用チラシケースなどを販売する「テクテク」(愛知県豊橋市)だ。
禁止を示す標識タイプのほか、「モテる男は座りション!」「座りションは女子を救う」などとお願いベースのステッカーも作成し、インターネットで販売。「男性のプライドを傷付けず『言わなくても見れば分かる』お気軽な方法」などとアピールしたところ、地元のテレビ番組や流通専門紙などで紹介された。
クスッと笑ってもらえるように工夫するなど、遊び心も込めての発売だったにもかかわらず、半月ほどで数百枚と、予想外の好調な売れ行きだという。購入した人は、一般家庭のほか居酒屋や幼稚園などもあった。
■「汚れを掃除するのがいや」
開発のきっかけとなったのは、約2年前に実施した自社内トイレのリフォームだった。
老朽化した男女共用の和式便器を、男性用の小便器と男女共用の洋式便器に改修したところ、共用の洋式便器で男性が立って小用を足すことに対し女性社員から不満が出た。トイレ内がきれいになっただけに、汚れが気になりだした。
「便座が上がったままになっていたのに、気づかずに座ってしまった」
「飛び散った小便の汚れを掃除をするのがいや」
「お客さんも使うのだから、汚さないように使えないのか」
ステッカーをデザインした小瀬木信浩さん(45)は「社員数は女性の方が1人多い。社内で議論したときは、女性から『大便のときは男性も座ってしている』という指摘もありました」。
■「立ってしたい」が“男の本音”
和式便器が主流だったころは、男性用の小便器が備えられている家庭や飲食店も多かった。しかし、洋式便器が普及すると、一般家庭に限らず航空機や電車、居酒屋など男女で同じ便器を小用に使う場合も多くなった。
女性にすれば、男性の小便が便器の外側や床などに飛び散ったトイレを使うのは抵抗感がある。そのうえ、家庭では掃除をするのがもっぱら女性という事情もあるかもしれない。しかし、本音では「立ってしたい」という男性は少なくない。
座りション派向けの便器を早くから開発してきたパナソニック・エコソリューションズ社が平成25年にネットで実施した「男性の小便姿勢の実態調査」(1030人)によると、「座ってしている」と回答した人は55%で、11年の15%に比べ大幅に増加した。
ところが、男性に本音を尋ねると、「立ってしたい」「できれば立ってしたい」が39%、「どちらでもかまわない」が36・1%で、積極的な座りション派は24・9%にとどまった。
■立位も座位もOKの便器が登場
同社は「立位から着座への移行は、便器自体やその周辺を汚すことを避けるため」と分析。「立ってしたいという男性の本音にも配慮し、好みの姿勢で用を足せるトイレ」を開発した。
昨夏、発売した全自動掃除トイレ「新型アラウーノ」は、立位でも着座でも、小便の「ハネ・タレ・モレ」による便器の外側や床、壁の汚れを抑えられるよう便器の細部を工夫、使う人と掃除をする人の両方に気を配った。
主に立ってする人のための「ハネガード」機能は、便座を上げると自動で水位が下がり、泡を投入することで用を足したときのハネを抑制する。
一方、座りション派のためには、便器に便座を重ねたときに生じる隙間に着目した。座ってしても便器の外が汚れる場合がある。その原因は、小便を前方の便座に当ててしまった場合の、この隙間からの小便のモレなのだ。
■便座と便器の隙間にこだわり
そこで、小便が便座に当たっても便器内に流れ落ちるように、便座裏の内側に巡らせた突起「モレガード」が便座と便器の隙間に入り込むのを防ぐようにした。さらに、小便が隙間に入ってしまった場合も、便器側に巡らせた高さ3ミリの立ち上がり部分が便器外にたれるのを防ぐ「タレガード」機能もある。
ショールームで客に説明すると、「なるほど」とうなずかれることが多いという。今年4月から1年で3万6千台の販売を目指す。
座りションの定着は、トイレ内を汚さないマナーに加え、トイレの機能もより快適な空間を目指して進化させるようだ。