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AKB48の五輪参加は「まずありません」秋元康氏明言

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AKB48の五輪参加は「まずありません」秋元康氏明言

AKB48の五輪参加は「まずありません」秋元康氏明言

2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会理事を務める作詞家・秋元康氏(56)がスポーツ報知のインタビューに答え、「次の世代に希望を与える大会にしたい」と、自身が生まれ育った「東京」で開催される五輪への思いを語った。AKB48をはじめ、数々のプロデュースを手掛けヒットさせてきた秋元氏。しかし、5年後は「プロデューサー・秋元康としてではなく、一国民としてお手伝いしたい」と“黒子”に徹すると明言した。(江畑 康二郎)

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 昨年3月に五輪・パラリンピック組織委の理事に正式就任してから1年たったが、現在の心境は。

 「まだ、理事会も数回開催されただけなので、国家最大のプロジェクトは、本当に粛々と進んでいくんだなという感じです」

 秋元氏の五輪の記憶は1964年にさかのぼる。東京五輪で、マラソン史上初の連覇を果たしたエチオピアの英雄アベベ・ビキラを目の前で見たという。

 「6歳の頃、父と手をつなぎマラソンを見に行った。『あれがアベベだよ』って教えてくれた父の声ははっきり覚えています。父が日本のモーレツ社員として頑張って働いていた時代です」

 目黒区で生まれ、保谷市(現・西東京市)で育った秋元氏にとって東京の魅力とは何か。

 「東京はテクノロジーなど変わっていくものと伝統と文化といった変わらないものが良いバランスで調和している。こんな都市は世界でもなかなかない」

 具体的に文化とは。

 「僕は流行を捕まえる仕事をしているので、その自然淘汰(とうた)されていくスピードというものを、実感している。でも、長い歴史の中で全く変わらない日本の文化がある。それは、『道』と呼ばれる茶道、華道なども含めて、能・狂言や歌舞伎、相撲、雅楽、文学などが淘汰されずに大切な文化として残っている。そういう文化を大切にしながら今のネット社会や環境に優しい街づくりなどをみんなで考えていく必要がある」

 これまで放送作家として「ザ・ベストテン」「夕やけニャンニャン」など多くの人気TV番組の構成を担当してきた秋元氏。すでにひらめいている企画はあるか。

 「まだ、具体的に何もないです。みんなが認め合うようなもの、それは僕が企画するようなものではなくて、もっと見識の深い方々に『こういうことをやりたいんだよ、秋元君』と言われた時に具現化するために、できるだけ黒子のようになってお手伝いしたい」

 秋元氏は、5年前に秋葉原にある「AKB48」と同様な劇場を全国7都市に造り、各劇場の代表を集めたグループ「JAPAN48」を作りたいと話していた。今年、新潟に「NGT48」が誕生すれば国内グループは5つになる。構想通り「JAPAN48」ができたら、五輪に関わることはあるのか。

 「AKBと五輪はまるで次元が違います。僕は『AKB48』グループの総合プロデューサーではありますが、『JAPAN48』を五輪と絡めて考えたことはない。つまり、プロデューサー・秋元康や作詞家・秋元康が参加するのではなくて、日本国民の秋元康が理事になって(五輪を)応援したいと思っている」

 今や日本のアイドルの象徴となったAKB48。「五輪に参加してほしい」という声が高まる可能性もある。

 「(五輪参加は)まずないです。(オファーが来ても)お断りすると思います。自分の中で絶対に公私混同したくないという思いが強くある。違う人がプロデュースしていたら推薦するかもしれないけれど、今、僕は無私の気持ちで国に恩返ししようと思ってやっているわけだから」

 「プロデューサー・秋元康」は封印するということか。

 「そうですね。一プロデューサーや一放送作家でどうにかなるレベルの話ではない。日本を紹介する時に、どれだけ日本を知っているのかということ。僕は全て知っているわけではないので」

 日本をもっと魅力的な国にするには。

 「どれだけ多くの人が思いやりを持てるかだと思います。海外から多くの人が来るのだから、外国語を話せる人、日本食に詳しい人などが増えて案内できるようになるだけで違うはず。あるいは折り紙を折るだけでもいい。何かの折に折り紙を折ってくれたら外国人も喜ぶと思う」

 東京は再開発などで街並みが変化しているが、変わって欲しくないと思うところは。

 「やはり文化は蓄積だから、変えちゃいけない。文化をさしおいて合理性をとると、つまらないものになってしまう。例えば、道に邪魔な木があったとしても、その木で周りの人が癒やされているなら木を切ってはいけない。防災上許されるなら、木を切らずに迂回する道をつくるのが文化だと思う。僕らが学生時代によく行った新宿のゴールデン街とか『趣があっていいな』と思うけど区画整理されていく。そういうものも、文化として残さなくてはならないのではないかと思う」

 気になる競技は。

 「やっぱり、マラソンですね。64年の記憶もあるし、君原さんとか、瀬古さんとか多くの日本人たちが頑張っているのを見ると一番記憶に残るかな。やっぱり活躍したものだよね、残るのは。最近なら高橋尚子さんとか」

 野球が復活する機運が高まっているが、巨人ファンという秋元氏はどう思うか。

 「楽しみですね。僕らは野球世代なんで。野球が復活してくれたらいいなと思います」

 東日本大震災から4年たつ。被災地復興に対して、五輪はどのような役割を担うか。

 「これから2020年に向かって活気づく日本。それが東日本大震災からの復興も含めて元気になればいいなと思います。おそらく1964年もそうだったのではないでしょうか。終戦の傷痕があってそこから頑張ったわけですから。2020年は、ゴールではなくてスタートだと思うんですよね。次の世代の人々に希望を与えるような大会にしたい」

 ◆秋元 康(あきもと・やすし)1958年、東京都目黒区生まれ。作詞家。高校時代から放送作家として活躍。美空ひばりの「川の流れのように」などヒット曲多数。2008年に日本作詩大賞受賞。12年に日本レコード大賞・作詩賞受賞。国民的アイドル「AKB48」グループの総合プロデューサーを務める。

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