政治そのほか速
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◆自分の野菜 手塩にかけて
福岡市早良区の市民農園に足を運ぶと、広々とした畑で利用者たちが農作業をしていた。太陽の下で、気持ちよさそうだ。
「大将がジャガイモを植えていたから、こっちも植えるよ」と隣の畑の男性に話しかけていたのは、市内に住む菊池敏明さん(70)。2年前から仕事の合間に通い始めたという。
今はハクサイやダイコンなどの冬野菜を少しずつ収穫している。夫婦2人暮らしでは食べきれず、友人や近所の人に配る。「無農薬なのでとても喜ばれる。それも楽しみの一つ」と笑った。
「大将」と呼ばれたのは、約5年通っているという堤靖彦さん(71)だ。自宅マンションのベランダでワケギなどを栽培していたが、本格的に野菜を作ってみたくなったという。
園芸の本を読み、独学で挑戦。今は三つの区画(約90平方メートル)でキャベツやソラマメ、イチゴなどを育てている。収穫した野菜の煮物やお浸しが、毎日のように食卓に上る。「体力づくりになるし、野菜を食べる量も増えた。いいことずくめです」と話す。
この農園を運営しているのは、JA福岡市が設立した農業生産法人「JAファーム福岡」。農家から耕作していない農地を預かり、市民に貸している。利用料は1区画(30平方メートル前後)当たり年1万4000~1万8000円。4月からの利用者を募集中だ。
市民農園は、遊休農地の活用やシニア世代の生きがい作りなどを目的に、ここ20年ほどの間に法律が整備された。自治体や農協、農家が運営するケースが多い。抽選になるほど人気の高い農園もある。
「ただ、栽培がうまくいかなくて、やめてしまう人も少なくないんですよ」と同社常務の若狭善彦さん(44)は話す。
失敗する最大の原因は、畑に行く回数が少ないこと。少なくとも週に1回は通わないと雑草が茂り、作物がうまく育たなくなってしまう。まったくの初心者でも、こまめに手入れをすれば、収穫までこぎつけることが多いそうだ。
指導者が栽培法をアドバイスしてくれる農園もある。JAファーム福岡では、講習会を年2回開くほか、職員が畑を巡回して相談に乗っている。「利用者同士で教え合えるのも、市民農園ならではの魅力。楽しく野菜を作ってくださいね」と若狭さんは呼びかける。
◇
九州・山口県には約260の市民農園がある。春に向けて利用者を募集中の農園も多い。農林水産省のホームページで検索できるほか、自治体の広報誌で募集されることもある。見つからなければ、自治体の農業担当部署に尋ねてみよう。