政治そのほか速
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明治時代に活躍した三重県選出の衆院議員土居光華(こうか)(1847~1918年)が、伊藤博文や板垣退助ら当時の政治家や経済人らと交わした書簡215通が親族宅から見つかった。書簡は土居の自宅があった縁で松阪市に寄託され、市立歴史民俗資料館で「土居光華書簡展」として一部が公開されている。
ひ孫の赤塚邦代さん(77)(松阪市殿町)によると、書簡は東京都北区に住む赤塚さんの兄の自宅に保管されていたが、一昨年に兄が他界。兄の親族は「土居は松阪に縁があるので」と申し出て、赤塚さんを通じて同市郷土資料室に寄託した。
書簡には、板垣が1882年(明治15年)4月に遊説先の岐阜で暴漢に襲われた岐阜事件に関するものもある。事件2日後、吉田茂元首相の実父で板垣の側近だった竹内綱が土居に手紙を送付。「けがは大いに気になるが案外軽かった。次第に全快しますのでご安心ください」などとつづっている。
他にも、大隈重信、犬養毅ら首相経験者、実業家の渋沢栄一、破傷風菌の研究で知られる北里柴三郎、大倉財閥の創始者大倉喜八郎、辛亥革命の指導者・孫文など、近代史を語るうえで欠かせない人物との書簡が含まれ、大正時代に政界を揺るがした旧日本海軍への贈賄事件「シーメンス事件」なども話題となっている。
書簡の解読を進める郷土資料室の杉本喜一さん(57)は、「教科書に登場する人物の手紙が次々と見つかり、歴史的にも重要」と話し、書簡に解説文を付けた史料集を1年かけてまとめる予定。赤塚さんは「土居光華について広く知ってもらうきっかけになれば」と話している。
企画展は5月6日までで、月曜休館。書簡24点を含め、約50点の資料を展示している。入館料は一般100円、小中高生50円。問い合わせは市立歴史民俗資料館(0598・23・2381)。