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長寿の秘訣である健康体操「須坂エクササイズ」ここ数年のデータにより、「日本一平均寿命が長い都道府県」として認知が広まってきた長野県。2013年のデータによれば、その平均寿命は男性80.88歳、女性87.18歳というから驚きです。そんな中、長野県須坂市の保健補導員会が作成した健康体操「須坂エクササイズ」が長寿の秘訣として注目を集めています。長野県によると、日常生活の支援や介護が必要と認定された65歳以上の須坂市民は、昨年9月現在で14.0%と県内19市の中で最も低いといいます。
そこで、「歌いながら体を動かし、脳を活性化させる」という須坂エクササイズの重要性について考えてみます。そもそも、高齢になればなるほど次第に体は動かなくなると思われがちですが、体を動かし続ければ、老後を元気に過ごすことも可能です。
筆者のような個人の体操教室でも、多くの高齢者が20年、30年と運動を続け、病気にならずにいつまでも若々しく、楽しく過ごす姿を見てきました。その姿を見るたびに、100歳でも変わらずに動けると確信しています。
深層の筋肉を使う運動が重要
高齢になっても日常生活で介護や支援を必要としない体づくりのためには、骨盤、脊柱、大腿骨をつなげている深層の筋肉を使う運動が重要となります。体幹を鍛えるということはよく聞かれると思いますが、指導する側がしっかりとした知識と実技で教えることが大切です。
また、体の中には歪んで縮めてしまった筋肉が多々あります。外の筋肉だけ使って運動をしても、根本的な要因は改善されません。リズムに乗せて手足を使うだけでなく、もう一歩踏み込んで、深層の筋肉を進化させましょう。
個人的な話になりますが、特養老人ホームに訪問した際、職員の認識は車椅子に座っている人や、手足が動かせない人には、あくまでも介護をするというものでした。ところが、老人体操ではなく一人ひとりの体の機能を改善するために、筋肉をつなぎながら使っていくことで体や表情が変わり、職員の取り組み方も変わってきました。
高齢者自身が懸命に取り組んでいるからこその成果
今後は、リズムに乗って動ける人だけでなく、歩行困難な人を含め、どうサポートしていくのかを考えていかなければなりません。何歳になっても、体は変えられます。若い頃に使われていた動きを発掘してよみがえらせてあげれば、90歳や100歳の人が生き生きと元気になります。人間の持つ力の偉大さを強く感じる瞬間です。
周りが老人扱いをせず、また、高齢者自身も奮起も必要です。行政と住民が総力を挙げて取り組んでいる「須坂エクササイズ」は、周りの理解、そして、高齢者自身が懸命に取り組んでいるからこその成果だと思われます。
(津田 美智子/健康体操指導員)