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　「作りすぎたハンバーグ。明日の朝ごはんにしようかな…」なんてときに便利なのが、食品用ラップ。中でも、『サランラップ』は、その代名詞ともなっています。

　日々の生活に欠かすことが出来ないこのサランラップですが、実はこれ、もともとは「軍事目的」に使われていたことをご存知でしょうか。

■太平洋戦線のアメリカ兵士を守っていたサランラップ

　サランラップの主成分である合成樹脂「ポリ塩化ビニリデン」が生まれたのは、20世紀前半のアメリカ。

　この合成樹脂をアメリカは、太平洋戦線で蚊に悩まされていた兵士のための蚊帳や、湿気から銃や弾丸を守るための包装フィルム、さらにはジャングルを行進する兵士の水虫対策のための靴の中敷き、として活用していました。

Photo by 401st_AFSBon Flickr■キッカケは妻の知恵？　軍事用途のフィルムをピクニックに

　終戦後、様々な改良が加えられたこのフィルムでしたが、ナチュラルチーズを包装する以外、他に新たな用途が見つかりませんでした。

　そんな中、ある日フィルムメーカーに務めていたラドウィックとアイアンズという男性2人が、それぞれ妻のサラとアンを連れ、近所の人々とピクニックに行きました。

　Photo by Jeremy Noble　on Flickr

　その時、ラドウィックの妻サラは、たまたま夫が製造に携わっていたフィルムにレタスを包んで持って行きました。すると、これが近所の奥さんの間で評判に。「保存に便利ね、コレ！」「私も欲しい！どこで手に入れたの？」

　この奥様方の反応にラドウィックとアイアンズは驚き、早速上司に報告し商品化。こうして、元は兵士の水虫予防に使われていたフィルムが、今や生活に欠かせない「食品用ラップ」として生まれ変わったのです。

■でも、なんで「サランラップ」なの？

　一回のピクニックで、軍事用途から生活必需品へと変貌を遂げたサランラップ。ですが、なぜ「サランラップ」という商品名なのでしょうか。

　その答えは、二人の妻の名前にありました。ラドウィックとアイアンズは、それぞれの妻の名前「サラ（Sarah）」と「アン（Ann）」にちなんで「サラン（Saran）ラップ」と名付けたのです。二人の夫の、妻への愛が感じられます。

■意外と知らない使い方のコツ

　①器にかけるときはピンと貼らず、ゆるめに
　ピンと貼ると、蒸気の圧力で裂けてしまうことがあるためです。…