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ツアー生活を支えてくれた夫と家庭をつくるために引退したアニカ・ソレンスタム。二人の子供に恵まれた。 写真・Getty Images
世界ランキング1 位のリディア・コがISPSハンダ・豪州女子オープンで今季初勝利。朴仁妃、ステーシー・ルイスに大きく抜きんでた格好だ。
14歳で豪州女子ツアー制覇、15歳で米ツアー初優勝、17歳で世界ランキング1位と次々と最年少の記録を作ってきたコだが、「早ければ30歳には現役を引退して、“心理学者”の道を歩みたい」と話す。
「ツアーを退いても毎日ビーチに行って遊んでいるわけにはいかない。第2の人生は必要」と、実際にこの春から韓国の大学のオンライン課程を受講、“心理学”を専攻するというから、かなり具体的に計画を進めているといえる。
実際、米LPGAの選手たちは米PGAの選手よりも平均的に選手生命が短い。結婚や出産という節目も視野に入れたうえで第2の人生を考えることは、確かに必要なのだろう。
長らく女王として君臨していたアニカ・ソレンスタムは37歳でツアーから撤退、その後は2児の母親となったが、夫のマイクとともにアニカアカデミー(米国フロリダ州)を主宰、妹のシャーロッタもスタッフに加えて、シメトラツアー(下部ツアー)とコラボレーションするなどしている。また、アニカブランドのゴルフウエアも世界中で展開し、テレビ解説や得意の料理を番組で披露するなど、ビジネスウーマンとしての才覚を発揮している。さらに“アニカ財団”を設立し世界中のジュニアをサポートするなど精力的に活動する。
そのソレンスタムの次に女王の座に就いたロレーナ・オチョアは28歳の若さで現役引退、こちらも2児の母となり現在は家族を中心に生活しつつもメキシコの子供たちのために、とチャリティー活動は継続している。
一方で40歳となったカリー・ウェブはまだまだ現役で、昨季は賞金ランキング8位の強さを誇る。また、今年55歳になるジュリ・インクスターは2児の母になってもプロ生活を続け米ツアー31勝、今もなお現役だが昨年からラウンドリポーターを務めるなど、ようやく第2の人生を歩もうとしている。
日本勢では横峯さくらが結婚を機に米ツアーに主戦場を移した。29歳からちょっとした第2の人生を始めようとしている。
どこで切り替えるかはそれぞれのタイミング、早くても遅くてもいい。4月に18歳を迎えるコのゴルフキャリアはまだまだ始まったばかり。まずはこれからのゴルフ人生に大いに期待したい。
文・武川玲子
週刊パーゴルフ(2015年3月17日号)掲載
武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国を拠点に、米PGAツアーと米LPGAツアーを中心に精力的な取材活動を続けている。ParOn.だけでなく週刊パーゴルフでもコラム等を執筆中!
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