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[4.18 J1第1ステージ第6節 F東京1-2広島 味スタ]
迷うことなく、ゴールへ突き進んだ。1-1で迎えた後半37分、その10分前にピッチに立ったサンフレッチェ広島のFW浅野拓磨は、FWドウグラスからのパスをハーフウェーライン付近で受けると、一気にドリブルでボールを前へと運んだ。
「ボールを持ったとき、左に(柴崎)晃誠くんが走っていたのは分かっていたので、おとりに使って仕掛けようかなと思っていました。あの時間帯だったし、相手の守備も疲れていると思った。それに自分が(途中から)出たときに、やるべきことはボールを持ったらスピードを生かして仕掛けることですし、監督からも裏に仕掛けるように指示を受けていたので。あの場面は前向きにボールを持てたので、しっかり仕掛けてシュートに行こうと思っていました」
PA前、やや左寄りの位置まで駆け上がると、右にカットインする。左足の切り返しでFC東京のDF吉本一謙をかわすと、カバーに入ったDF森重真人のタックルがボールを捉える。それでも、これが浅野の足に当たり、そのままの流れで森重をかわすことに成功。「ゴチャゴチャッとなったけど、気持ちで行きました」という浅野はPA内で態勢を整えて右足を振り抜き、GK権田修一の守るゴールを割った。
「素直に嬉しい。このゴールまで、めちゃめちゃ長かった」と、浅野は決勝ゴールを振り返り、「これまでもチャンスがあった中で、最後に決めきれていなかった。サポーターを待たせていたし、自分がゴールを決めて勝てたことがうれしい」と、白い歯をこぼす。
リーグ戦では通算16試合目にしての初ゴール。実は、朝に得点できる予感がしていたという。「今朝、体調がおかしかったんです。ちょっと頭がクラクラしたというか。でも、こういうときに限って点を取れたりするんだよな、と思ったし、そういうのも良かったのかもしれませんね」。そう笑いながら話す浅野だが、ここからが肝心だと自覚する。「ここで満足したくないですし、ここからどんどん点を取れたらと思います」と、更なるゴールを誓った。
(取材・文 河合拓)