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昨年末から年始にかけた週間視聴率において、ゴールデン帯、プライム帯で視聴率調査が開始されて以来初の最下位に落ち込んでしまったフジテレビ。年明け早々、ここ数年の不調を象徴するような出来事に見舞われてしまった。そのフジを抜き、年末年始4位に浮上したのは、最近勢いに乗るテレビ東京である。
1月17日、両者の勢いの差があからさまに出た。この日の19時台、フジは『超潜入!リアルスコープハイパー』、テレ東は『土曜スペシャル 北陸新幹線先取り!! 長野~金沢ドライブ旅』を放送。両番組は内容が非常に似かよっていた。ともに、3月に開業される北陸新幹線に関する特集をしたのだ。平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区/19時~20時54分)は『北陸新幹線先取り』が9.7%、『リアルスコープ』が8.2%とテレ東に軍配が上がり、フジは同時間帯で民放最下位に沈んだ。テレビ局関係者が話す。
「同じような特集で、フジがテレ東に負けるとは衝撃ですよ。数年前までならまず考えられません。テレ東が渡辺正行、秋本奈緒美、佐藤聖羅という3人のドライブ旅だったのに対し、フジは上地雄輔、Sexy Zone、ビビる大木など大量にひな壇タレントを使っていました。フジは北陸新幹線だけでなく、北海道新幹線や昭和の人気SLであるD51なども特集していましたが、金をかけないテレ東が勝って、金のあるフジが負けるとは驚きです」
このフジの敗因について、同関係者は次のように解説する。
「タレントをたくさん投入すればいいというものではないし、誰が出ているかではなく、今は内容重視で見る番組を選ぶ視聴者がかなり多いという証明になりました。まして、VTR中心の番組構成であれば、タレントではなく内容に目がいって当然。要するに、フジはテレ東に制作力で負けてしまったわけです。昔からそうですが、フジはとにかくキャスティングに頼りすぎる。視聴率の獲れそうなタレントをブッキングしておけばなんとかなる、という考えが強すぎるんです」
また、別のテレビ局関係者も、両者の制作力の違いを指摘する。
「今のテレビは、本当に若者が見ていない。特に土曜夜は20代なら外に出かけている割合も多い。視聴者ターゲットは、自然と40代以上になるのです。テレ東は、そこをよく理解した番組づくりをしています。『北陸新幹線先取り』はテロップを必要最低限しか出さなかったし、タレントが前に出るわけではなく、『この場所に行ってみたいな』と思わせる本来あるべき旅番組の姿でした。
一方の『リアルスコープ』は、画面にいろんな要素を置きすぎで見づらい。もっとカメラマンの撮った映像が見たいのに、ワイプを入れてテロップを出して、左右にタイトルを置いてというように、主役である映像をわざわざ小さくしたつくりにしている。画面に落ち着きがなく、40代以上にとってはテレビ画面がごちゃごちゃして見づらいのです。最近年配層にBSが人気なのも、昔のように映像だけに集中できる番組作りだからでしょう。
ザッピングする視聴者の目を止めるために、ワイプには視聴率が獲れるといわれている芸能人を出し、今何をやっているのか一目で判別がつくようにテーマを表示する。親切丁寧に、芸能人の話し言葉にテロップを出し、目を引かせる。このような一昔前に流行った視聴率を取りにいく“わかりやすくする心掛け”が、逆にわかりにくくさせているというパラドックスが起こっていることに、フジはまだ気がついていないのではないでしょうか」
フジの低迷は当分続きそうである。
(文=編集部)