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◇横浜市内発着の電車の切符確認後
昨年8月に横浜市で行方不明になった認知症男性(当時83歳)が東京都中野区で倒れて救護されず死亡した問題で、男性は横浜市内発着の電車の切符を持っていたのに警視庁中野署が神奈川県警に身元照会をしなかったことが警視庁への取材で分かった。遺体発見後、別の警察官が行方不明者届の全国データベース(DB)を検索したが、男性と一致しない年齢幅で調べたため身元を特定できなかったことも判明した。
【認知症と見抜けず】倒れていた認知症男性、消防や警察は保護せず2日後死亡
男性が持っていたのはJR菊名駅(横浜線)発、鶴見駅(京浜東北線)行きの切符。駅に入る際に改札で開けられるパンチ穴があったという。男性は行方不明になった8月19日、この切符を券売機ではなく窓口で購入して菊名駅に入り、いずれかの駅で降りた際に改札に通したり駅員に渡したりせず所持したまま駅構外へ出たとみられる。鶴見駅は男性宅の最寄り駅で、帰宅しようとした男性が電車や降りる駅を間違えて中野にたどり着いた可能性がある。
◇不明者全国DB 別の年齢で検索
警視庁によると、21日午前に男性と接した警察官は、所持品の切符に神奈川県内の地名があったことを記憶しているが、当時は男性の受け答えなどから不審点はないと判断して身元照会を行わなかったという。男性は警察官に正確な氏名を答え、住所は答えず、生年月日は本来の「昭和6年2月4日」ではなく「昭和26年2月26日」と答えていた。遺体の身元を調べる担当者は9月下旬~10月上旬にこのやり取りを把握。11月に全国DBを検索したが、年齢幅を「50~70歳」などとして調べたため、行方不明者届と一致できなかった。全国DBは氏名だけでは検索できず年齢が必要といい、警視庁は男性の見た目が若く自称の生年月日も当時63歳に当たるため、83歳と一致する年齢幅で検索しなかったとしている。
男性は昨年8月19日夕に横浜市鶴見区のデイサービス施設から行方不明になり、21日午前に中野駅近くで倒れていたが、駆け付けた救急隊と警察官は救急搬送や保護をせず、公園で2日後に死亡。身元不明遺体として扱われ、家族が今年2月に警視庁ホームページで所持品や特徴が一致する遺体情報を見つけるまで、警視庁は身元を特定できなかった。
男性の長女(51)は「切符を見つけていたのにどうして神奈川県警に聞かなかったのか。正しい氏名が分かっても身元を調べられない検索システムは改善してほしい」と話す。警視庁は今回の事例を教訓に「氏名が判明している人は年齢幅を広く取って照会(検索)していくよう指導した」としている。【山田泰蔵、銭場裕司】