政治そのほか速
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スマートシティというと、ハコモノをイメージする人が多いかもしれない。“スマート”なハウスやビルが連携して施設のエネルギーコストを街全体で下げていく、という一面だ。しかし、スマートシティにおいてスマートなのは施設だけではない。
そこで今回は、未来の街をよりイメージしやすくするために、スマートシティにおける街とクルマの連携事例を紹介する。
■ 北九州市の取り組み
場所は福岡県北九州市だ。日本におけるスマートグリッドおよびスマートシティのあり方を見出すことを目標とした実証実験が行われている4都市の1つで、『北九州スマートコミュニティ創造事業』が実施されている。他の3都市は横浜市、豊田市、けいはんな学研都市だ。
北九州市での実証対象地区は八幡東区東田地区で、その面積は1.2キロ平方メートル。225台のスマートメーターが設置されている(2012年8月時点)。
■ EV充電は街が休んでいる時に
EVの急速充電器は一時的に大きな出力を要する。地域の電力需要のピークを抑えるには、電力需給に余裕のある時間帯に充電を誘導する必要がある。そこで昼間の充電料金を夜間の約2倍に設定し、急速充電器の利用が特に多い8~9時と18~19時の2つの時間帯では、安い夜間料金の16倍の料金を設定した。
変動する充電サービス料金は、急速充電器の表示パネルのほか、ドライバーが持つスマートフォンにも送信される。こうした料金設定により、ドライバーの87.5%が「充電料金の変動によって充電時間帯を意識するようになった」そうだ。こうしてEV急速充電器の利用時間帯を地域の電力需要ピークからずらすことに成功した。
このように消費者に行動変化を促すために需要に応じて電力料金を変えることを『ダイナミックプライシング』と呼ぶ。これまでは電力消費量に合わせて電力会社が発電量を調整していたが、スマートシティでは消費側でも電力消費量を調整するようになり、ライフスタイルが変化していくといわれている。
■ EV集配車のエネルギーは街がリレーする
EVには冷蔵・冷凍機能を持つ“クール宅急便”のような車両もある。作業状況によっては電池が1日持たないこともあるそうだ。そこで、集配送先の店舗などで継ぎ足し充電をしている。車両のリチウムイオン電池の情報は専用サーバーで監視され、充電タイミングをはかる目安として充電率がドライバーに通知されるのだ。
店舗側では蓄電BEMSコントローラが設置されている。店舗で使う電力に加えて、集配車を充電するための電力も加味して最適化を図っているという。
『北九州スマートコミュニティ創造事業』は2014年度が最終年度だが、事業終了後も継続して街のスマートさを追求していくという。これからの動向も要注目だ。
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