政治そのほか速
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2月初旬、アメリカで68歳になる盲目男性が、バイオニック・アイ(人工の眼)を装着するための手術に成功。10年ぶりに視力を“回復”させた。
男性は、アメリカ中西部ミネソタ州に住むアレン・ズデラートさん。網膜色素変性症という難病を煩ったアレンさんは、50歳代の頃から徐々に視野が狭くなり、10年ほど前から失明。以来、妻のカルメンさんが彼の“眼”の役目を果たしてきた。
「もう一度、妻の顔が見たい」
と願っていたアレンさんは、FDA(アメリカ食品医薬品局)が2014年1月に認可した人工の眼、Second Sight社の『 Argus Ⅱ(アーガスⅡ)』の装着に踏み切る。
■ 埋め込んだセンサーから視神経に情報を送る
SF映画に出てきそうなデザインのサングラスがメインユニットのこの装置は、視力自体を回復させるものではない。手術によって眼球へ埋め込んだ装置を介し、“視神経へ直接的に映像を送る”というものだ。
仕組みを簡単に説明しよう。
サングラスには、レンズ奥に小型のデジタル・ビデオカメラを搭載。装着した人の前方映像を写すことができる。そして手術。眼球に専用インプラントを埋め込む。このインプラントには、デジタル映像を受信する小型レシーバーが内蔵されている。
術後に回復したら、サングラスをつけてスイッチを入れる。すると、レンズ奥のビデオカメラが装着者前方の映像を写す。写された映像は、ケーブルで繋がったVPUを介し、レンズ横のアンテナから無線で眼球側インプラントへ転送。映像を視神経に伝える……といった感じだ。
ちなみに、装置は全て電気を使って稼働させることができる。
■ “人工の眼”装着者は全米で15人目
センサーを埋め込む手術は、前述の通り、2月上旬に地元メイヨー・クリニックで行い、無事成功。装置をつけて、初めて家族と会ったのが下の動画だ。
10年ぶりに見た奥さんの顔は、ぼんやりと輪郭が見える程度だったそうだが、それでもやはり大喜び。
孫たちも、一番年長の子の顔は覚えている。彼が生まれた頃はまだ見えていたからね。でも、他の子たちの顔はまだ見たことがなかったんだ。みんなの顔が見られて本当にうれしいよ
アレン・ズデラートさんは、アメリカで15人目、ミネソタ州では初の“人工の眼”装着者となった。
「自分の眼で愛する家族を見たい」。これは誰もが望む普通の願いだ。それを障害者でも叶えられるという意味では、このニュースは科学やテクノロジーの力が、いい方向に及んだ好例のひとつだろう。
装置を開発したSecond Sight社はヨーロッパなどにも支社がある。今後も、欧米での装着者は増えていくことは間違いない。
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