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富士通はスペインで開催されているモバイルカンファレンス「Mobile World Congress 2015」で、虹彩認証技術を搭載したスマートフォン(スマホ)の試作機を初めて展示した(写真1)。2015年度内に製品化を目指すとしており、実現すれば世界初の虹彩認識技術搭載のスマホとなる。
富士通が実用化を目指しているのは赤外線LED照明および赤外線カメラを使って個人の虹彩の持つシワのパターンを取得し、各人固有の識別情報として認証に応用するというもの。LED照明で赤外線を照射し、カメラで眼球部分を撮影する。
富士通は赤外線LED照明と赤外線カメラの小型化に成功。スマホやタブレットへの搭載の見通しが立ったという。認識アルゴリズムには米デルタIDの「ActiveIRIS」を採用しており、赤外線カメラとの距離が20cmほど離れていても認証可能だ。
写真1 富士通が展示した虹彩認証技術搭載スマホ。端末上部の左に赤外線LED照明、右に赤外線カメラがある。実用化の際にはスマホ前面上部に内蔵する予定
写真2 虹彩登録時の様子。専用アプリで二つの円に目を合わせると登録が始まる。かかる時間は5~10秒ほど。認証時は1秒もかからない
デモ機ではまだ照明とカメラを内蔵していなかったものの、既に読み取り、登録、認証を実現していた。体験してみると、最初の虹彩登録にかかる時間は5~10秒ほど。ログイン時の認証は1秒もかからず、瞬時で完了した(写真2)。
富士通では個人向けのモバイル端末への搭載を皮切りに、法人向けセキュリティーソリューションとしても市場を開拓していく考えだ。
(日経コンピュータ 原隆)
[ITpro 2015年3月2日掲載]
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