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以前、Futurusでは『kraftwerk』というライター用のガスを利用して発電する、モバイルタイプの燃料電池について紹介した。今回は、塩水を利用して発電するモバイルタイプの燃料電池を紹介したい。
スウェーデンのmyFC社が、塩水が入った使い捨てのカード型カートリッジを入れ替えるだけで発電できるモバイル燃料電池『JAQ』を発表した。USB経由で、スマートフォンなどのモバイルデバイスに充電することができる。
■ 塩水で発電するモバイル燃料電池
『JAQ』は、『power card』と呼ぶ水と塩化ナトリウム、つまり“塩水”が入ったほぼ名刺サイズの使い捨てカード型カートリッジを差し込むことで発電する。
塩水が化学反応を起こすことで水素を発生し、その水素から電力を取り出す仕組みだが、電極にどのような素材が利用されているのかは未公開になっている。
このカード型カートリッジを1枚差し込むことで、2,400mAhの電力が発電される。
カートリッジが使い捨てであることが気になるが、myFC社は「リサイクル可能な素材であり、発電自体には化石燃料を使用していないので、『JAQ』はクリーンな発電システム」と主張している。
『JAQ』は持ち運びには便利な手のひらサイズで、重量も僅か約200gだ。交換用カートリッジも約40gなので、非常に軽い。
myFC社は既に『myFC PowerTrekk』という、やはり手のひらサイズのモバイルタイプ用燃料電池を販売しているが、こちらは発電できる電力が1,400mAhと小さかったことや、2次電池を内蔵していること、さらに水を入れる手間が掛かっていた。
従って今回発表された『JAQ』は、『myFC PowerTrekk』をさらに使い易く改良した製品といえる。
■ モバイル電源の多様化が進む
『JAQ』はまだ発売されておらず、2015年9月以降に発売されるようだ。また、販売価格もまだ決定していないが、恐らく本体が1万円弱で、交換用カートリッジは200~300円程度になるのではないかとみられている。
販売国も未発表であるため、日本で発売されるかどうかわからないが、発売されればモバイル電源がさらに多様化されることになり、歓迎するモバイルデバイスユーザーは多いだろう。
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