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アトピー性皮膚炎とよく似た症状を示すマウスを遺伝子操作で生み出したところ、皮膚に生息するさまざまな細菌群の中で黄色ブドウ球菌が異常に増えて発症に至ったと、慶応大と米国立衛生研究所(NIH)の研究チームが21日付の米科学誌イミュニティ電子版に発表した。
アトピー性皮膚炎の患者では、症状がひどくなると皮膚の細菌群の半分以上が黄色ブドウ球菌で占められる例が知られる。今回のマウス実験の結果から、皮膚の細菌群を正常化することが新治療法になる可能性が示された。ただ、細菌を退治する抗生物質を使うと、腸内の細菌群に悪影響が及ぶとみられ、工夫が必要になるという。
慶応大医学部の永尾圭介元専任講師らが、皮膚の細胞の分化や機能を調節する酵素「ADAM17」ができないマウスを生み出したところ、乾燥肌やアトピー性皮膚炎のような症状を示した。
離乳直後から抗生物質を投与し続けると皮膚の細菌群が正常な状態を保ち、皮膚炎の発症を抑えられたが、10週目で投与をやめると黄色ブドウ球菌が増えて発症した。