政治そのほか速
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オーストラリアは2012年、移住したい人が年間500万豪ドル(約4億6500万円)以上を4年続けて投資すれば、永住権を獲得できる「上級投資家ビザ」という制度を作った。合計額は少なくとも18億5800万円となる計算だ。
このビザの申請者の9割が中国人だ。オーストラリアに移民として移住したい中国の富裕層は約1000万人。2015年3月9日放送の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)は、好景気をもたらす中国を「おもてなし」するオーストラリアの現状を取材していた。
■ホテルの社員はビデオで「中国人のブランド好き」学ぶ
日本ではリーズナブルな価格で人気の定食チェーン「やよい軒」のシドニー店では、サバの塩焼き定食が2300円。しかしお客は「全然高くないわ。妥当な値段ね」と満足そうだ。
オーストラリアはGDPが23年連続プラス成長と好景気で、物価も高騰している。そんな物価高をものともせず、大挙して押し寄せているのが中国人観光客だ。
オーストラリアも中国人客へのサービスに力を入れており、春節を祝うためにオペラハウスを真っ赤にライティングしたり、中国の遺跡「兵馬俑」を模したオブジェを飾ったりするなど過剰なほど。中国人観光客の数は、2013年には73万人にものぼった。
大手ホテルチェーンの「アコーホテルズ」では、社員が「中国人の面子(メンツ)」についてビデオで学ぶなど、徹底した中国人対応を行っていた。
「中国人の面子とはこうです。ブランド大好き。マンションは高層階。子どもは有名大学。そしてトップ500の企業に入れたい。もちろん結婚式は豪華に」
そんな言葉がアニメーションと共に流れ、見ていた女性スタッフはこう語る。
「オーストラリアにはこのような考え方はないので、しっかりと理解して、中国の人たちの面子をつぶさないように気を付けているんです」
■庭先で不動産オークション、わずか5分で2倍以上に
このVTRを見ていたジャーナリストの竹田圭吾氏は、「全体的にやりすぎ」と苦言を呈したが、オーストラリアがここまで中国を重視しているのは、好景気に中国が大きな影響を与えているためだ。
オーストラリアの輸出先は、10年前は日本が18%と1位を占めていたが、2013年度は中国が1位、しかも36%と大きく溝をあけられている。
いまオーストラリアには、不動産バブルも起きている。メルボルン郊外の静かな住宅地で、家を売るための内覧会が行われ、30人の購入希望者たちは庭先に集められた。…