政治そのほか速
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■「周囲」に置き去りにされる恐怖感
妖怪ウォッチの流行が「大人」にも広がりつつある。
ひとつのブームが巻き起きると、我々はそれに無関心ではいられない。多くの人がブームに乗ろうとする。こうした行動をとる理由は何か? そのひとつは、好奇心旺盛さだけでなく、人と違うこと(流行を知らない、など)をして奇異な目で見られるよりも、周りと合わせた方がストレスなく日々の生活を送れる、ということがあるのではないか。
「他人(時代)に置き去りにされる」という恐怖感や、「周囲と異なる環境にいる」という孤立感を、無意識的に回避している。
いわゆる同調行為だ。
この行為自体は決して悪いことではない。だが、こうした傾向の強い人は、どうしても詐欺や悪質商法の罠にかかりやすくなる。
業務停止の行政処分を受けた悪質業者は、さも管理会社から依頼されて来た点検業者のフリをして古い団地に長年住む中高年宅を訪問していた。
「今、お使いになっている換気扇は古い型で、製造が廃止になる予定です。ですので、これから先、壊れた場合には取り替えられなくなりますよ」
もちろん、製造廃止の話などまったくの嘘である。業者は住人の不安を煽り、次のように畳み掛ける。
「他の棟の住人は既に取り替えていますよ」
その話を聞いた住人は周りも取り付けているという安心感から、1万5000円の換気扇を購入してしまう。
詐欺や悪質商法では、「周りの人もやっているから、あなたもした方がよい」と言って、契約を迫ってくる。これはバンドワゴン効果と呼ばれる、人はたくさんの人に選ばれている情報を耳にすると、多くの人もやっているという安心感から、そのことへ同調しようとする意識が働いてしまうもの。
■「やんわりとした脅し」が効果絶大
ただし、ビジネスにおいては、この「周りもやって(買って)いますよ」という営業トークだけでは、肝心な契約の現場では、「押しが弱い」とみなされることも多い。
それは悪質商法も同じで、ある換気扇の業者は、次のような手も使う。
マンション管理会社を装った業者は、引っ越して間もない人の家を訪れる。そして、換気扇の点検をしながら、「換気扇のフィルターを取り付けた方がよいですね」という。
その理由として、こう語るのだ。
「このまま放っておくと、換気扇が油まみれになり、油が料理にも混じって、体に害を及ぼすことになる。また、その汚れが原因で、ゴキブリも大量発生して、マンション全体の不衛生につながります」
そして、こうも付け加える。…