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現在の30~40代にとってゲームと言えばやはりファミコンであり、任天堂<7974>だろう。その任天堂が業績不振に陥っている。任天堂が発表した2014年3月期決算では営業赤字が464億円に拡大し、3年連続の赤字となった。
原因としては12年末に発売された据え置き型ゲーム機「Wii U」の不振が挙げられている。その他にも、スマートフォン向けの無料配信ゲームが主流となったことや、他メーカー機種に比べ海外での訴求力が低下していることも要因だ。
しかしスマートフォンでのソーシャルゲームの流行や、海外でのSONY「PS4」の販売好調などを見ればわかるように、ゲーム業界全体が苦戦しているわけではない。その中でなぜ任天堂が苦境に立たされているのだろうか。
その理由には、任天堂のマンネリとゲームユーザーの二極化の関係が考えられる。
任天堂は古くは「スーパーマリオ」や「ゼルダの伝説」、最近では「どうぶつの森シリーズ」など、初心者のライトユーザーにはやさしく、同時にゲーム好きのヘビーユーザーにはやり込めるゲームを作ってきた。また「Wii U」の前機「Wii」の爆発的なヒットは家族みんなで楽しめるゲームへの回帰だった。
これらのことからも、任天堂は老若男女が常に楽しめるゲーム作りに情熱を注いできたと言える。しかしそれが任天堂のマンネリにつながった部分も看過できない。
今、ライトユーザーは無料で手軽に楽しめるソーシャルゲームに流れ、一方でヘビーユーザーはPCオンラインゲームや、美麗なグラフィックと高いゲーム性のある「PS4」やマイクロソフト「Xbox」へと流れていっている。このゲームユーザーの二極化は、みんなで楽しめるゲームとして中間層を取り込んできた任天堂にこそ大打撃となっているのではないだろうか。
この苦境の打開策として任天堂が発表しているのが、キャラクタービジネス展開と新興国へのゲーム事業だ。特にまだゲームが日本ほど浸透していない新興国なら、「みんなで楽しめる」任天堂のゲームは受け入れられやすく、ゲーム人口の増加にもつながるだろう。そうした新規事業と同時に、5月29日発売の「マリオカート8」、今冬発売予定の「スマッシュブラザーズ」最新作といった看板作品で「Wii U」の巻き返しを図っている。
ソーシャルゲームへの参入についても、任天堂の岩田社長は「一部ソーシャルゲームに見られる射幸心をあおって課金を促すやり方では短期的な収益は上がっても、ユーザーとの間に長期的な信頼関係は築けない」とした上で、「あくまで任天堂らしいやり方で発展させたい」と述べている。流行り廃りの激しいゲーム業界に君臨し続けてきた任天堂だからこそ、苦境にあっても堅実に自社のスタイルを変えることなく戦っていく姿勢がうかがえる。任天堂の逆襲に期待したい。(編集担当:久保田雄城)