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[ロンドン 13日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)による1兆ユーロ規模の量的緩和(QE)始動で通貨安競争が加速するなか、この競争で「勝者」となるのはユーロ圏のインフレ連動債かもしれない。
インフレと景気の押し上げを狙ったQEの開始を見込んで、ここ一カ月でインフレ連動債の需要は高まった。この需要の高まりによって、国債利回りと連動債の「実質」利回りの差で、インフレ期待を示すとされる「ブレークイーブンレート」は上昇している。ただ、ECBのインフレ目標である2%近くの水準にはまだ届いていない。
例えば、フランス10年物国債のブレークイーブンレートFR2558310=TWEBは約1.37%と、2月初めにつけた約1%から上昇している。
アナリストの多くは、ECBの債券買い入れがユーロを押し下げインフレ率を上昇させる中、連動債への需要はさらに高まるとの見方を示している。
ECBのQE開始以降、ユーロEUR=は対ドルでの等価(パリティー)に向けて下落を続けている。昨年5月以来の対ドル下落率は約25%。ECBのQEが加速し米連邦準備理事会(FRB)の利上げが近づくにつれ、ユーロは向こう数カ月で等価を割り込むと多くのアナリストはみている。
ユーロの下落は輸入製品を割高にさせ、一部のアナリストは向こう12─18カ月で物価は0.5─0.7%上昇すると予想している。
大まかな計算では、ユーロの実効為替レートが10%下がればインフレは0.4─0.5%ポイント上昇することになる。ECBがQEを発表した1月22日以来、ユーロの実効為替レートは5.25%下落している。
アクサ・インベストメント・マネジメントでインフレ連動債ファンドを担当するジョナサン・バルトラ氏は「ユーロは向こう一年間の通貨安競争で勝者になることが予想されている。ユーロのインフレ連動債は高い価値がある」と指摘した。 続く…
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