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[東京 4日 ロイター] – 鉄鋼株の出遅れが目立っている。新日鉄住金(5401.T: 株価, ニュース, レポート)は中期経営計画が評価され、4日の市場で逆行高となったが、中国をはじめとした新興国などの需要鈍化に対して市場の警戒感が根強く、同業他社への波及は限定的。
大手3社の業績は足元で増益基調となり、株価は相対的に割安感も出ているが、先行きへの懸念が上値を押さえている。
新日鉄住金は3日、中期経営計画を発表した。18年度末をめどに八幡製鉄所小倉地区の高炉1基を休止させる一方、3カ年で1兆3500億円の国内設備投資を計画。現行20%程度とする連結配当性向を15年度以降に20─30%とし、17年度にはROE(株主資本利益率)を10%以上(今期見通しは6─7%)に引き上げる方針を打ち出した。
市場も中計を好感し、新日鉄住金の4日終値は前日比5.1円高の321.3円と上昇。
ゴールドマン・サックス証券は4日付のレポートで、旧新日鉄と旧住友金属工業の統合を受けて「13年3月に発表された中計から、2年程度しか経過していないこのタイミングでの発表には、やや意外感がある」としたうえで、統合シナジーなど「当初目標値を前倒しで達成したことで、新たな目標値が設定されたことは前向きに評価されるべき」と指摘した。
だが、JFE(5411.T: 株価, ニュース, レポート)、神戸製鋼所(5406.T: 株価, ニュース, レポート)の株価はいずれも下落。個別材料と扱われ、好感ムードは同業他社には広がらなかった。
高炉大手3社の2015年3月期業績は、いずれも増収・経常増益予想。予想PER(株価収益率)も、日経平均が16倍後半なのに対し、新日鉄住金が16倍台前半、JFEは13倍台半ば、神戸製鋼は11倍台後半だ。
2月中は出遅れた業種に買いを入れる「リターン・リバーサル」の傾向が強まったことを背景に、鉄鋼株は上昇を続けていたが、早くも一服感がみられている。 続く…
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