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メニューも豊富でつい食べ過ぎてしまう(写真は「レガロホテル宮崎」)
全国展開する大手ビジネスホテルチェーンに対抗すべく、地方の小規模ホテルチェーン、独立系ビジネスホテルなどが”進化系ビジネスホテル”として秀逸なサービスを提供するケースが増えている。特にその傾向は西日本に多い。そこで今回、宮崎県のビジネスホテル無料モーニングに着目してみた。
なお、この企画では、地元密着の独立系や小規模チェーンのビジネスホテル無料朝食にスポットを当てており、また、本文では別途料金が発生する「有料朝食」との対比で「無料朝食」と定義している。
九州のホテルは朝食に注目
九州全体で見てみると、例えば、ホテルフォルツァチェーン(福岡県・大分県・長崎県)やJR九州ホテル(大分県・佐賀県を除く九州全県)などは有料朝食ではあるが、シティホテルの高級朝食クラスを凌駕するクオリティーを実現している。もちろん、無料朝食でも健闘が光るホテルはとても多い。
なお、この企画では、地元密着の独立系や小規模チェーンのビジネスホテル無料朝食にスポットを当てており、また、本文では別途料金が発生する「有料朝食」との対比で「無料朝食」と定義している。
冷汁でさっぱりと
まず訪れたのは「宮崎ファイブシーズホテル」。繁華街にある利用しやすい料金体系のホテルだ。朝食会場はシンプルな空間ながら、テーブルと椅子数組を中心に、コの字型にレイアウトされた会場は料理も取りやすく導線も良い。
まず目が止まるのは、ホットプレートに乗せられた熱々ソーセージ。その横にはサラダとゆで卵が備えられている。マヨネーズ、ケチャップはもちろん、ごまドレッシングにマスタードまで置かれているのはうれしい。
そんなメニューをピックアップしつつホカホカご飯の炊飯器まで移動すると、なんと隣のガラス器には宮崎の郷土料理「冷汁」が。もちろん、ご飯にかけておいしくいただいた。食欲がない朝でもサラっと楽しめる健康食はありがたい。そしてデザートには、ヨーグルトやバナナなどと充実してラインナップである。
「宮崎ファイブシーズホテル」では冷汁は必食!
冷汁はかけ放題
ホットプレートで熱々に
「贈り物」を実感できる朝食
宮崎県の独立系ホテルで言うと、県庁近くの「レガロホテル宮崎」もオススメ。宮崎駅からは徒歩10分ほどで、繁華街からも近い立地ゆえに”使える”ホテルだ。明るく開放的なロビーでは、高級チェアに座ってチェックインできる。広めで機能的な客室もポイントが高い。
選びたい放題な「レガロホテル宮崎」の朝食たち
そんなホテルの無料モーニングは充実の内容だ。焼き物、揚げ物など10皿以上が並ぶメニューは圧巻。ソーセージにはフライドポテトも添えてあり、焼き魚、パスタに焼きそば、そしてポテトサラダ等々持ちやすいお皿のサイズにして、つい盛ってしまう。
パンも3種類用意され、もちろん横にはトースターが。ご飯にパン、パスタに焼きそばというラインナップは主食のチョイスに迷ってしまう。何より明るいスペースが、心地よい朝食時間を演出する。
レガロホテルの「REGALO」とは、イタリア語で”贈り物”を意味する。朝日が差し込む爽やかな空間で工夫と充実の無料朝食を満喫していると、「確かにこれは贈り物かも」などと感じてしまう、優雅な時間がここにはある。
朝日が差し込む、気持ちのいい朝がここから始まる
※記事中の情報は2014年12月取材時のもの
筆者プロフィール : 瀧澤 信秋(たきざわ のぶあき)ホテル評論家、旅行作家。オールアバウト公式ホテルガイド、ホテル情報専門メディアホテラーズ編集長、日本旅行作家協会正会員。ホテル評論家として宿泊者・利用者の立場から徹底した現場取材によりホテルや旅館を評論し、ホテルや旅に関するエッセイなども多数発表。テレビやラジオへの出演や雑誌などへの寄稿・連載など多数手がけている。2014年は365日365泊、全て異なるホテルを利用するという企画も実践。著書に『365日365ホテル 上』(マガジンハウス)、『ホテルに騙されるな! プロが教える絶対失敗しない選び方』(光文社新書)などがある。
「ホテル評論家 瀧澤信秋 オフィシャルサイト」