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<東日本大震災4年>つながる思い

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<東日本大震災4年>つながる思い

 <東日本大震災4年>つながる思い

 東日本大震災から4年を迎えた11日、県内各地でも追悼の催しが行われ、発生時刻に犠牲者を悼み、黙とうがささげられた。阪神大震災から20年が過ぎた神戸では、二つの震災の被災地に生きる語り部たちが集い、体験や教訓を次世代に語り継ぐことの大切さを確認し合った。「1・17」から「3・11」へ――。参加者たちは「記憶をつないでいく」と誓い合った。(上野綾香、浅野友美、畑中俊)

 

  ◇気づかされた日常の備え

  神戸市中央区の「人と防災未来センター」では、二つの震災の体験や記憶の継承について考える「語り部のつどい」が開催された。

  「語り部」として登壇した元田久美子さん(57)(岩手県宮古市)は、東日本大震災で義母を亡くし、現在は宮古市田老地区で「学ぶ防災ガイド」を務めている。

  「震災前は、義父から津波の恐ろしさを何度も聞かされたけど、『もう聞きたくない』と思っていた。震災が起きて、教訓を語り継ぐ人の存在が、どれだけ大切か気づかされました」と語った。

  また、同地区で被災したホテルを「震災遺構」として保存する取り組みについて紹介。「遺構は地元にとって、見るたびに当時のつらさを思い出す建物。それでも、『ものを語らない語り部』となってほしい」と期待を込めた。

  一方、NPOのメンバーとして、防災教育を行う団体のコンクール「ぼうさい甲子園」に携わる河田のどかさん(27)(神戸市)は、阪神大震災時には7歳だった。「当時をあまり記憶していない自分が震災を語っていいのか」と悩んだ時期もある。

  しかし、「ぼうさい甲子園」のスタッフとして、震災を経験していない子どもたちが懸命に防災に取り組む姿を見るうちに「体験したかどうかは関係ない」と思い始めた。

  「『語り継ぐ』とは、自分の体験を語ることだけではないんだ」と気づかされ、体験した人の言葉に耳を傾け、次の世代に受け渡す役目を果たそう、と決意した。

  「私たちの世代は、震災の真実をあまり知らないからこそ、語ってくれる人の存在が重要。これから、経験を語る人と、受け取る人の出会いの場をつくっていきたい」

 

  ◇追悼ネット中継…東遊園地と宮城・岩手

  神戸市中央区の東遊園地では、阪神大震災の復興のシンボル「希望の灯(あか)り」を分灯した岩手県陸前高田市の施設と、追悼行事が行われている宮城県名取市の仮設住宅の3か所をインターネット中継で結んで追悼イベントが行われた。

  阪神大震災の追悼行事「1・17のつどい」の実行委員会が主催。会場では約300本の竹灯籠を「3・11」の形に並べて火をともし、地震発生時刻の午後2時46分に合わせて市民ら約200人が黙とうした。

  あいさつした実行委副委員長の藤本真一さん(30)は「被災者の心の傷はまだ癒えないと思う。つながりを今一度強くし、共に歩みましょう」と呼びかけた。

 

  ◇長田の小学校も仙台と

  神戸市立真野小学校(長田区)では、児童約120人が参加して、津波被害を受けた仙台市立東六郷小とインターネットで結び、合同の追悼集会が営まれた。

  両校は昨年から交流を始め、今年1月17日には、東六郷小の児童4人が真野小を訪れ、阪神大震災の追悼イベントにも参加した。

  真野小の大型画面には、東六郷小の追悼集会の様子が映し出され、両校の児童は犠牲者に黙とうをささげた後、震災復興ソング「希望の道」を合唱。集会後は、ネットを通じてクイズを出し合ったり、将来の夢を語り合うなどして楽しんだ。真野小6年・高野将己君(12)は「津波で校舎が浸水した東六郷の児童は、想像できないくらい苦労も多かったと思う。これからも交流を続け、震災の教訓を忘れないようにしたい」と話していた。

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