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<東日本大震災から4年>犠牲者悼み、減災決意

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<東日本大震災から4年>犠牲者悼み、減災決意

 <東日本大震災から4年>犠牲者悼み、減災決意

 ◇県内避難 今も42世帯94人

  東日本大震災から4年を迎えた11日、県内各地でも犠牲者を悼み、被災地の復興を願う式典などが営まれた。県の集計(2月末現在)ではこの震災に絡み、42世帯94人の避難者が今も県内で暮らしているという。行政関係者や地域住民らは、大津波を引き起こすと想定される南海トラフ巨大地震などの災害に備える訓練に臨み、減災への決意を新たにした。

  県によると、避難者は2012年に55世帯131人を数えてピークを迎えたが、その後は古里に戻る人が増えだしたという。

  現在の避難者の内訳は、福島県からが15世帯31人と最も多い。宮城、岩手両県と合わせた被災3県では計28世帯60人に上る。東京、茨城、千葉など関東からも13世帯32人が避難している。滞在先は、和歌山市(20世帯46人)、田辺市(4世帯11人)、海南市(4世帯7人)など12市町に及ぶ。

  この日、和歌山市内の会議室では避難者約10人が集まる交流会が開かれ、生活上の悩みなどを話し合った。

  会はおおむね月1回、同市内で開かれ、情報交換などを行っている。今回は、県内の避難者約40世帯に最近、実施したアンケートの中間報告(12世帯分)があった。依然、半数近くの人が「まだ不安が多く、生活のめどがたたない」と答えていた。

  アンケート結果を踏まえ、避難者を支援する関係者は「以前に比べると、子どもの教育に関する悩みは減っている回答だった。子どもたちが和歌山になじんでいると受け取ってもよいかもしれない。今後は住宅や就労支援が必要になってくるのでは」と分析した。

  子どもを連れて関東から避難してきたが、今月中に関東に戻るという女性は「和歌山では屋外でのびのびと遊ばせられた。ただ関東に戻るとなると、やはり放射能のことが気になる」と話した。

   

  ◇列車から高台へ訓練真剣

  南海トラフ巨大地震で最大17メートルの津波が想定されている串本町のJR紀勢線では、列車走行中の被災を想定した避難訓練が行われた。

  列車が緊急停車したと見立て、JR西日本社員約100人が乗客役で参加。車掌らは、避難ばしごを使うなどして乗客が安全に車外に出るのを誘導し、近くの高台まで一緒に避難した。

  高台に移動する訓練には町立橋杭小学校の児童と地元住民らも参加し、高台に通じる避難路を真剣な表情で駆け上がった。

  和歌山市毛見の和歌山マリーナシティの駐車場では和歌山市消防局や和歌山海保などの約150人が参加する訓練もあった。

  倒壊家屋に人が閉じこめられていると想定し、チェーンソーなどを使って救助する作業などを確認した。和歌山市消防局の林正義消防局長は「今後も災害に備え、関係機関との連携を強化したい」と話した。

    

  ◇鎮魂の鐘響く 田辺

  田辺市今福町の勝徳寺では震災の発生時刻の午後2時46分から、市民ら約30人が鐘を突き、犠牲者の鎮魂を祈った。

  紀南ユネスコ協会の呼びかけで行われ、市民らは鐘楼にキャンドルを並べ、一人ひとり鐘を突いて合掌した。同協会の浜野公二会長(64)は「4年たっても被災地の苦しみは癒やされていない。少しでも安らぎを取り戻し、前に進んでほしい」と話していた。

  また、高野山真言宗・総本山金剛峯寺(高野町)は、高野山の奥之院で、犠牲者を追悼する法会を営んだ。粉雪が舞うなか、同宗の中西啓寶(けいほう)管長が導師を務め、約30人の僧侶が厳かに読経した。

  同宗の添田隆昭宗務総長は「犠牲となった方々のご冥福や、被災地の一刻も早い復興を祈りました」と話した。

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