政治そのほか速
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北陸新幹線開業を機に約1時間で結ばれる金沢、長野両市が、観光連携を強めている。両市のNPO法人が共同で、まち歩き情報冊子「まちるん」を発行したほか、両市は秋頃に共同で大都市圏で観光PRを行う予定。戦災に遭わなかったことから古い建物が数多く残る文化都市が、互いの魅力をPRし、相乗効果を狙う。
冊子を発行したのは、「金沢観光創造会議」と「長野門前創造会議」。寺久保尚哉・長野門前創造会議理事長が、「兼六園や善光寺などの観光名所を見たら、観光客が市外へ出てしまうのが2市の共通課題。古い建物を上手に活用していることを発信し、街の回遊性を高めたい」と、加茂谷慎治・金沢観光創造会議理事長(50)に呼びかけて実現した。
冊子では、町家や土蔵造りなどの外観を生かしたカフェやレストランなど歩いて訪ねられる両市の名所24か所ずつを紹介。金沢市は、町家を改修してカフェやレストラン、書店などを営んでいる24施設が掲載された。取材を担当した金沢観光創造会議メンバーの羽馬晃海さん(26)は、「東山から野町まで、歩いて施設を巡り、楽しんでほしい」と期待を込める。
長野市の場合、善光寺門前の商家は火災に備えて土蔵造りが多く、白や黒のしっくいで塗られた外壁が、白黒の対比が映える街並みを形成する。冊子は、築年数100年以上の土蔵造りの商家が中庭のあるレストランとして生まれかわった例など24施設を紹介した。
冊子のタイトル「リノベトラベル」は、修繕、再生(リノベーション)と旅行(トラベル)を結びつけ、誘客につなげようとの目的で名付けた。A5判20ページで、1万5000部を制作。約130万円の発行費は、長野県の補助金や個人や企業の協賛金でまかなった。今後、両市の観光施設などのほか、東京都内のホテルなどにも置く予定だ。
加茂谷理事長は「首都圏の人に使ってほしいのはもちろん、新幹線開業で距離が近づく石川、長野両県の人たちもそれぞれの古い街並みを楽しんでほしい」と話している。
■自治体も急接近
新幹線開業により金沢市と長野市は、最短でこれまでより2時間10分短い1時間5分で結ばれることになる。同じ北信越地区にありながら、両市の交流はこれまでそれほど盛んではなかった。新たな交通の大動脈は2つの文化都市を結びつけ、北信越全体の観光の魅力アップにもつながりそうだ。
両市は、夏と秋頃に、東京と大阪で共同で観光PRを行う。さらに、長野市観光振興課によると、外国人旅行客の呼び込みに向けた共同の商談会の計画もあるという。
同課は「いろいろなPRを試み、長野から北陸へ行ってもらうお手伝いができれば」と話している。