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東日本大震災による町の死者・行方不明者824人と同じ数の桜を植える「さくらまつり」が、岩手県山田町の船越家族旅行村オートキャンプ場であった。本巣市の国の天然記念物「淡墨(うすずみ)桜」の種から育てた苗木20本も植えられた。
旅行村には震災前に約500本の桜があったが、津波で全て流失した。キャンプ場の管理などをしていた藤原長一さん(66)ら住民グループが「犠牲になった人の分だけ、夢や思いがある。桜に思いを託して咲かせてあげたい」と2013年に植樹を始め、約5ヘクタールにエドヒガンザクラなど5種類約500本を植えてきた。昨年から「さくらまつり」と題し、ステージイベントなども始めた。
淡墨桜の苗木を届けたのは、岐阜市の小椋郁夫さん(62)(名古屋女子大講師)。市内で山田町の物産品を売るなどして復興支援を続けてきた。勤務先に訪ねてきたのがきっかけで藤原さんと知り合い、岐阜県内で調達した苗木を送った。植樹に参加し、「満開になった桜を見て、みんなが笑顔になるのを楽しみにしています」と期待していた。
藤原さんは「ここを桜の名所にし、たくさんの人に山田を訪れてもらいたい」と話していた。
まつりが開かれた19日には約230人で約140本を植え、計約640本の植樹を完了した。植樹は来年にも目標本数を達成する予定だ。