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◇中沢さん作品 銅像に
漫画「はだしのゲン」の作者で2012年に73歳で死去した中沢啓治さんが描いた「広島カープ誕生物語」の登場人物らをモチーフとした銅像が、マツダスタジアム(広島市南区)近くの屋内練習場敷地内に完成し、20日、披露式が行われた。
物語は原爆で両親を失い、豆腐店で働く少年が、原爆投下から5年後の1950年に市民球団として発足したカープとともに懸命に生きる姿を描いた。1994年に書き下ろしで出版され、その後、絶版となっていたが、昨年、復刊された。
被爆70年を迎える今年、原爆の悲惨さを後世に伝えようと球団などが制作を進めてきた。式には中沢さんの妻、ミサヨさん(72)や、作品にも登場する75年のリーグ初優勝時のエース外木場義郎さん(69)らが出席。像を覆う布を取ると、積み上げた土管の上でカープを応援する主人公らが現れ、近くの保育園児が「それ行けカープ」を歌って完成を祝った。
銅像の周りには、被爆レンガや広島電鉄の被爆当時の敷石とレールなどもあしらわれ、原爆で壊滅的な被害を受けながらも復興を果たした広島の歴史を伝える。ミサヨさんは「漫画から飛び出してきたような迫力。像を通して平和の大切さを感じてほしい」と話した。