政治そのほか速
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復活祭のミサを終え、サンピエトロ大聖堂前の群衆に応えるフランシスコ・ローマ法王=5日、バチカン(AFP=時事)
【バチカン市AFP=時事】フランシスコ・ローマ法王は5日、キリストの復活を祝う重要な宗教行事、復活祭(イースター)のメッセージで、過激派組織「イスラム国」の勢力拡大などで混乱が続くシリアやイラクの平和回復に祈りをささげた。
法王は国際社会に対し、「大きな人道的悲劇を前に傍観してはならない」と語り、戦火に苦しむ難民への支援を求めた。
インタビューに答えるアムネスティ・インターナショナルのウェツェル上級政策顧問=3日、東京都千代田区
死刑制度の廃止などを求めて活動する国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのヤン・ウェツェル上級政策顧問は「昨年の死刑執行国は22カ国と世界の約10%にすぎない。多くの国が死刑制度廃止へと動く中で、日本は世界の潮流から遅れ、孤立しつつある」と指摘した。東京都内で3日、時事通信社のインタビューに応じた。
1月に内閣府が発表した世論調査では、死刑制度廃止への反対は80%、廃止支持はわずか10%弱だった。ウェツェル氏によると、先進国の中で死刑制度を廃止していないのは米国と日本のみ。その米国も死刑制度を廃止する州が相次ぐなど「次第に廃止へと向かっている」という。
日本で制度廃止への反対意見が根強い理由の一つが、被害者家族の被告への処罰感情とされる。これに対し、廃止支持者の間では「死刑執行も殺人」という考えが根強い。米国では被害者側が制度廃止に賛同するケースもある。
ウェツェル氏は死刑制度見直しのため、元プロボクサーの袴田巌さんが約48年間拘束された「袴田事件」を例に挙げた。一度は死刑判決が下されながら1年前、再審開始が決定した。被告本人とその家族に長年にわたって精神的苦痛を与えたと指摘し「政府はこのようなケースを教訓に、制度を見直さなければならない」と訴える。
死刑制度と犯罪発生率の関係について「あらゆる調査や研究でも(死刑が犯罪を減らすとは)証明されていない」と強調。1966年以来死刑執行していない香港と、死刑執行を続けているシンガポールを比較した調査で、死刑と犯罪発生率との関連は見られないという。
死刑執行数を開示していない国は中国、北朝鮮など数カ国。ウェツェル氏は「死刑廃止に関して世界の動きは二分化している。日本は近い将来、どちらの立場につくかの決断を迫られるだろう」と語った。
痛んだ体でよくそれほどの長い距離、長い時間をじっと耐えたものである。道路にいきなり飛び出した犬が車に衝突するも、運良くバンパーの内側にすべり込み、そのまま車は高速道路を走り続けたという。
先月26日、中国の中央部を走っていた黒い普通乗用車フロントバンパーから、大変長い間そこに挟まっていた1匹の茶色い犬が保護された。Loudi Zhangさんという車の運転手は、湖南省の鳳凰県の道路でこの犬をはねた記憶があったが、高速で走っていたこともあって降りて確認しておらず、てっきり死なせてしまったと思いこんでいた。
だがそこから400kmほど走ったところで車の前面からふと犬の吠え声が聞こえ、彼はやっと車を停めて確認することに。そこでフロントバンパーにはまり込んだ先ほどの犬を発見し、保護したのであった。その後自分の故郷に到着すると、Zhangさんはすぐにその犬を連れて獣医のもとへ。幸いにも傷は軽く、野良犬でしょうとの判断に彼は迷わずその犬を自分が飼うことに決めたという。
Zhangさんはメディアに「運命の出会いが僕とこの犬を結びつけてくれた」と感動たっぷりに話しているが、「もっと早く確認して保護してあげるべきだった」という批判の声も多いようだ。
※ 画像はnydailynews.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)
【サンパウロ時事】米州35カ国のトップが一堂に会する米州首脳会議が10、11両日、パナマで行われる。米国のオバマ大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長も出席の予定。半世紀以上の敵対関係を乗り越え、両首脳による初の直接会談が実現するかが最大の焦点だ。
両国は1月以降、3回にわたり国交正常化に向けた高官協議を開催した。米国は米州首脳会議までの大使館再開を目指してきたが実現していない。テロ支援国家指定の解除などを求めるキューバとの溝が埋まっていないためだ。
両首脳の直接会談が実現すれば、国交正常化交渉に大きく弾みがつくのは確実だ。中南米政治に詳しい中部大学の田中高教授(国際関係論)は、関係改善を世界に印象づける「絶好の機会になる」と分析する。大使館の相互設置時期などで具体的な合意に達する可能性もある。
ただ、成果を急ぐ米国に対し、国交正常化へキューバが求める前提条件は整っていない。テロ国家指定の解除に加え、大使館再開に不可欠な米国内の銀行口座開設のめども見えない中で、キューバは「米国に歩み寄ったとの印象を与えたくはない」(外交筋)との見方もある。
米国は両国首脳が出席する米州首脳会議が国交正常化に向けた一つの節目とみて1月以降、交渉を急いできた。直前まで水面下の調整が続くとみられるが、トップ会談が実現しなければ、今後の協議が減速する恐れもある。
米国務省高官は3日、両首脳による何らの接触はあるとの見方を示した。ただ、「現時点では正式な会談は設定されていない」とも付け加えた。
【パリ時事】1月7日に発生したフランス連続テロ事件から約3カ月がたつ中、事件を機に「危険地帯」のレッテルを貼られたパリ移民街の住民らが汚名返上に奮闘している。異国情緒あふれるスポットを巡る小旅行や写真を通じた住民の素顔の紹介など、あの手この手で街の魅力を発信。「本当の姿を見に来て」と意気込んでいる。
◇服飾もアフリカ流
パリの移民街には貧しい中東・アフリカ出身者が多く住み、すりやひったくりの被害も多いとされる。連続テロの容疑者がアフリカ系移民出身だったことを受けて、米フォックスニュースが代表的な移民街を「ノーゴーゾーン(危険地帯)」と命名。テロの温床であるかのような印象が世界中に広まってしまった。
こうした地域の一つである北部シャトールージュでは、仏旅行代理店バスティナが3月末、北アフリカ・マリにゆかりのある場所を回るツアー「プチ・マリ」を実施。参加者はガイドのシビ・マハマドさん(34)に伴われ、活気に満ちた通りや市場を約2時間かけて散策した。
マリの特産品店を訪れ、欧州産に比べ風味の強いはちみつや、独特の苦みを持つ木の実「コーラ」などを試食。紳士服店では、黄色いスーツに身を包んだ黒人店主がきらびやかな洋服を手に取りながら「生き生きとした色合いを楽しむのがアフリカ流ファッションだ」と解説した。
精肉店のアラブ系男性店員は参加者に「ここでは多様な背景を持つ人々が共生し、争いはない。本当の姿をよく見ていってくれ」と呼び掛けた。ツアーは約3年前から月1回のペースで続けているが、マハマドさんは「参加者が危ない目に遭ったことは一度もない」と強調する。
◇「悪名」逆手に地ビール
パリ在住のアマチュア写真家、ジュリアン・ボトリオさん(34)は2月末から、移民街を訪ねて住民の表情を写真に収め、ネットで発信する活動を始めた。見知らぬ人々に撮影を頼んで回る日々だが、「多くの住民は地域に愛着を持ち、撮影を受け入れてくれる。先入観だけで『危ない』と決めつければ実態は見えてこない」と語った。
パリ北部の移民街グットドールでビール醸造所を営むチエリー・ロッシュさん(42)は、街の「悪名」を逆手に取り、「ノーゴー」と銘打った地ビールを3月から販売。アルコール度数は8度強と高めで苦味が強く、悪魔をあしらった不気味なラベルも特徴だ。ロッシュさんは「騒動を笑い飛ばし、みんなに街に来てもらえるようユーモアを込めて挑発したかった」と笑顔を見せた。