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<イエメン>金曜礼拝モスク2カ所で自爆テロ 137人死亡

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<イエメン>金曜礼拝モスク2カ所で自爆テロ 137人死亡

 <イエメン>金曜礼拝モスク2カ所で自爆テロ 137人死亡

 ◇345人重軽傷 ISの分派がネット上で関与の声明
 
  イエメンの首都サヌアで20日、イスラム教シーア派のモスク(イスラム礼拝所)2カ所で連続自爆テロが発生した。同国のメディアは、少なくとも137人が死亡、345人が重軽傷を負ったと報じた。首都を占拠したシーア派武装組織フシを狙った攻撃とみられる。同国にはシーア派とスンニ派の宗派対立がある。イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)の分派がインターネット上で関与を認める声明を出しており、混乱がさらに深まることが懸念される。
 
  サヌア中心部のモスクで2回、市内北部のモスクで1回の爆発があった。モスクではフシの支持者らが金曜礼拝に集まっていたとみられる。
 
  AP通信によると、中心部のモスクでは、一人の男が建物内で自爆。パニック状態になった人々が出口に殺到したところで再び爆発が起きたという。目撃者は「ガラスが飛び散り、頭上から降り注いできた。モスクの床には血が川のように流れていた」と証言した。
 
  同日、サヌア北西部のフシの拠点サダでも政府施設を狙った爆発があり、2人が死亡、1人が重傷を負った。
 
  イエメンではフシが2月にサヌアを掌握し、首都を逃れたハディ大統領は南部アデンで執務するなど、混乱が続く。南部はハディ氏と同じ多数派のスンニ派が多く、シーア派のフシへの反感が強い。スンニ派部族や分離独立派なども巻き込んだ南北対立の激化が懸念されていた。
 
  またイエメン東部を中心に国際テロ組織アルカイダ系の過激派組織「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)が活動。AQAPと対立するイスラム教スンニ派のISも同国で勢力を拡大し、昨年11月に支部を置くと宣言し、混乱に乗じ浸透を図っていた。
 
  19日から2日続けて所属不明の戦闘機が、アデンでハディ大統領がいる宮殿を狙って空爆。フシとハディ大統領派の間で戦闘が起き、死者も出ていた。【小泉大士】
 
  ◇イエメン
 
  古くは東西貿易の中継地として栄えた。19世紀に南北に分断されたが、1990年に統合し、イエメン共和国が成立した。30年以上続いたサレハ独裁政権は、2011年に始まった民主化要求運動「アラブの春」で倒れ、12年にハディ氏が暫定大統領に就任。北部を拠点とするイスラム教シーア派武装組織フシは昨年9月に首都サヌアに侵攻し、今年2月には政府の実権を掌握した。国民はイスラム教スンニ派が6割以上を占め、残りの多くはシーア派。人口は約2500万人。

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