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アフガニスタン政府と旧支配勢力タリバンとの和平交渉について、隣国パキスタンが「和平への努力を支援する」とアフガンのガニ大統領に伝え、交渉開始を後押ししていたことが分かった。来日中のパキスタンのファティミ首相特別補佐官(外交担当)が13日、毎日新聞の取材に応じ、明らかにした。
パキスタンは国内の武装勢力を掃討するため、国境を接するアフガニスタンの安定に迫られたとみられる。
ファティミ氏は、パキスタンの友好国である中国も和平交渉に関与し始めたことを明らかにした。今後、両国の仲介による交渉が進めば、アフガン戦争を主導した米国は存在感を弱めそうだ。
和平交渉を巡っては、アフガンのアブドラ行政長官が先月下旬、「近い将来、タリバンとの交渉が始まる」との見通しを表明している。
ファティミ氏によると、パキスタンは昨年6月からパキスタン北西部・北ワジリスタン管区などで国内最大の武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)の掃討作戦を開始。約2000人の戦闘員を殺害したが、数千人が国境を越えてアフガン側などに逃げたという。昨年9月にガニ大統領が就任後、パキスタンはアフガンとの連携を強化。アフガン軍や情報機関と連携を取り、武装組織の情報を共有し、軍事作戦でも連携を深めていることを明らかにした。
一方で、ファティミ氏はTTPが忠誠を誓うアフガニスタンのタリバンについては「現在の幹部が死亡しても、また新しい人物が出てくる。軍事作戦には限界がある」との認識を示した。アフガン政府とタリバンを和平に持ち込み、TTPなどパキスタンの武装勢力と切り離す作戦とみられる。
ファティミ氏によると、中国も和平交渉の仲介を始めた。中国は首都カブール近郊のアイナク銅山などの資源開発に投資しており、アフガニスタンの安定を望んでいる。ファティミ氏は中国政府関係者がアフガニスタンとパキスタンを訪れていることを明らかにし、「仲介はまだ初期段階だが、歓迎すべき動きだ。交渉が進み、中国のアフガンへの投資が増えれば雇用が生まれ、若者は(タリバンなどの)戦闘員にならなくなる」と述べた。
一方で、今後の和平交渉については、「タリバンは現在、中央集権的な権力構造になっていない」と、交渉相手選定の難しさを指摘。「不確実な要素が多い」として、交渉が長期化する可能性を示唆した。【三木幸治】