政治そのほか速
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【ニューデリー金子淳】アフガニスタンの旧支配勢力タリバンがアフガン政府との和平交渉を始める意向であることが、タリバン幹部らへの取材で分かった。タリバンは和平交渉を始めるかどうかを公式には明らかにしていないが、タリバンの政治部門は交渉開始に向けて内部で協議を進めているという。
ただ、取材に応じたタリバン幹部は「和平交渉に入っても停戦には応じない。戦争を終えるのは外国軍が完全撤退してからだ」と述べ、当面は戦闘を継続する方針を示した。
この幹部は、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯から、イスラム過激派に詳しい地元ジャーナリストを通じて毎日新聞の電話取材に答えた。
タリバンは2013年にも、米国との和平交渉に前向きな姿勢を示したことがあるが、今回は「(アフガンに関与している)米国や北大西洋条約機構(NATO)ではなく、アフガン政府と交渉する用意がある」という。
これまで「異教徒(米国)のかいらい」としてアフガン政府の正統性を認めてこなかったタリバンとして大きな方向転換だ。タリバンへの影響力を持つとされるパキスタン軍・政府が最近、タリバンとアフガン政府の間で和平交渉開始へ向けた働き掛けを活発化させており、タリバン側がこれに応じた可能性がある。
タリバン情勢に詳しいカブール在住のタリバンの元司令官は、毎日新聞の電話取材に対し、水面下で交渉開始に向けた努力が続いていることを認めた。
アフガニスタンのガニ大統領は22日から訪米しており、24日のオバマ米大統領との会談では駐留米軍の撤退ペースを遅らせるよう求める見通しだ。タリバンは「外国軍の完全撤退」を重要視しているため、撤退計画の見直しが決まれば交渉開始に影響する可能性もある。また、ロイター通信によると、タリバン内部には和平に反対する強硬派もおり、交渉開始には時間がかかるとの見方もある。
アフガンでは昨年末で米軍が戦闘任務を終え、現在は約1万人規模の部隊がアフガン軍の訓練を行っている。来年には駐留規模を半減し、16年末までに事実上、完全撤退する計画だが、アフガンではタリバンなどによるテロ攻撃が相次いでいるうえ、イスラム過激派組織「イスラム国(IS=Islamic State)」の影響力が強まっていることなどから、治安悪化が懸念されている。