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米ニューヨークを本拠とする大手コンサルタント会社のマーサーはこのほど、世界の主要230都市についての「2015年版、暮らしやすさランキング」を発表した。吉林省政府は微博(ウェイボー)の公式アカウントで、同省吉林市が「ランクインしました」と発表した。しかし同ランキングは暮らしやすさの上位都市を発表したのではない。吉林市は世界的に見ても「下から数えた方が早い」順位だった。しかも、選考の対象になった中国の都市では最下位だった。
吉林市の美しい夜景の写真などに「ウィーンが全世界で暮らしの質がもっともよい都市でした。では、われわれの省でランクインした都市はあるのでしょうか!? もちろんあります。吉林市が入選しました。第168位です。吉林市の皆さん。痛快ですか!?」との文章を添えた。
ところが、マーサーのランキングは「上位230都市」ではない。世界各国・各地の代表的都市、あるいは知名度の高い都市を対照にしたものだ。例えば、最下位はイラクのバグダッド。政治情勢や治安の悪さが極めて低い評価になったと考えられる。第229位は中央アフリカのバンギ、228位はポルトープランス、227位はスーダンのハルツーム。いずれも、インフラ整備の遅れなども目立つ都市だ。
中国からは11都市が選考の対照になった。第1位は上海市(世界ランクでは101位)だった。2位以下は北京市(118位)、広東省広州市(121位)、四川省成都市(133位)、江蘇省南京市(137位)と続いた。吉林市は対照になった中国の都市では最下位だった。
吉林省政府の“つぶやき”に対しては、「168位じゃないか」などの批判のコメントも寄せられた。
同ランキングは、世界で最も住みやすい都市はウィーン(オーストリア)とした。アジア第1位は世界ランクでは26位のシンガポール。アジア第2-5位は東京(世界44位)、神戸(47位)、横浜(48位)、大阪(58位)と、すべて日本の都市だった。
アジアの他の都市では、香港の世界第70位、ソウル(韓国)の72位、台北(台湾)の83位などがある。
写真は吉林省政府による「世界第168位ランクイン」の発表。微博の公式アカウント・ページから。(編集担当:如月隼人)
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