政治そのほか速
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韓国の自殺率の高さは日本でもすでに広く知られている。2013年の自殺者数は1万4427人にのぼった。
韓国統計庁の調査結果によると、1999年の時点で10万人あたり15人だった自殺者数の割合は、2000年代に入り急増した。2011年にはピークを迎え、10万人あたりの自殺者数は30人の大台を突破。2014年もほとんど同様の数字で推移しており、自殺問題の改善に向け前向きな兆候は見当たらない。むしろ、事態は悪化している側面もある。
例えば、ソウルの救急隊の出動件数を見ると分かりやすい。自殺もしくは未遂に終わったものを含め、救急隊が出動した回数は2010年は890件。それが2014年には、4926件にまで激増している。笑い声と喧騒が飛び交うソウルの街で、毎日10件以上の自殺騒動が起きている計算になる。
韓国の自殺問題で、意外と知られていないのがその理由だ。韓国保健福祉部が昨年まとめた調査結果によると、韓国人の自殺の原因は、1位が精神的な病(37.9%)、2位が対人関係(31.8%)で合わせて全体の7割近くを占めている。経済的困窮は3位にランクインしたが、全体ではわずか1割ほどだ。4位の孤独は7%にとどまった。貧困や金銭的な問題ではなく、対人関係や社会生活におけるストレスが、自殺の主な原因となっているという統計には少し驚く。
「自殺問題はかなり深刻になっている。最近では韓国国民が自国のことを“自殺共和国”と揶揄するほど。国際社会の目が気になる側面もあるのでしょう。近年では政府が自殺問題にかなり真剣に取り組みはじめています」(韓国大手ニュースサイト記者)
ひとえに自殺問題の改善と言っても数多くの側面があるが、韓国政府がまず乗り出したのが10代、特に学生の自殺防止だ。13日、政府は「学生自殺予防対策」を発表。独自に開発した自殺防止アプリを、各教育担当機関や学父母に配布すると発表した。
学校やマンションの屋上に自殺防止柵の設置を義務化
この自殺防止アプリは、メッセンジャーアプリやSNS上で自殺をほのめかすメッセージを見つけ出し、学生の親に通知するというもの。同様の機能は、日本ではいじめや有害サイトの閲覧防止のために取り入れられているが、韓国では自殺防止に利用することになる。また、自殺サイトや関連アプリケーションへの接続を強制的に遮断するアプリを配布することも決まった。最近の韓国の10代~20代自殺者の多くは、自殺する前にSNSやメッセンジャーアプリで心境を吐露したり、自殺サイトに接続する割合がかなり高いという統計結果がある。…