政治そのほか速
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ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会の開催地に選ばれた東大阪市では2日、会場発表のパブリックビューイング(PV)が市役所であり、そろいのジャージー姿の市職員ら350人が吉報に歓声を上げた。喜びの輪の中には「ラグビーのまち東大阪」の礎を築いた東大阪青年会議所(JC)元理事長の田中勝明さん(61)の姿も。「さらなる魅力発信の機会が与えられ、わくわくしている」と喜んだ。
バッグ部品会社社長の田中さんはJC理事長となった1990年、「ラグビー」をキーワードに市の魅力を広げようと考えた。高校ラグビーの聖地・花園は東大阪の宝物だからだ。とはいえ、大半の会員はルールさえ知らない。まずプレーしてみようと、同年春に「東大阪JCノーサイドクラブ」をつくった。
指導者役は高校時代にラグビー部員だったサンダルメーカー社長の鶴沢洋一さん(59)だ。練習場を求めて市外も渡り歩き、ナイター設備がなければ建設現場で使う照明を持ち込んだ。素人集団にはけがも多く、鶴沢さんも肋骨(ろっ(こつ)を折ってしまう。家族に心配や迷惑をかけまいと、おなかにさらしを巻いて骨折を隠し、痛みに耐えながら仕事を続けた。「当初は使命感だけだった」という田中さんだが、「対外試合で初勝利した3年目から、ラグビーの面白さや奥深さを感じ出した」と振り返る。
そんな田中さんたちに行政も呼応する。91年3月、当時の市長が「ラグビーのまち」を目指す考えを市政運営方針に盛り込み、下水道のマンホールのふたにラグビーの図柄を採用した。田中さんの発案でつくられたラグビー少年姿のJCのマスコットキャラクターは、公募で市のキャラクター「トライくん」に“昇格”した。市は本社を市内に置くハウス食品と協力し、ラグビーボール形のカレーパンのブランド化も目指す。
市役所で記者会見した野田義和市長は「『花園でやらなくてどこでやるんだ』という思いで頑張った。これから準備が大変だが、スクラムを組んでまい進し、W杯にふさわしい東大阪をつくり上げたい」と話した。【新宮達、五十嵐和大、山口起儀】