韓国で検出されたＰＭ２．５（微小粒子状物質）の発生源は過半数が「国産」であることが判明し、「スモッグは中国から飛来」説は完全に打ち砕かれた。５日付で環球時報が伝えた。
　韓国ではこれまで、スモッグに関する報道では「中国から飛来した」が枕詞として必ずつけられ、ヘリコプターが視界不良で高層ビルに突っ込んだ事故でも「中国産スモッグ」が槍玉に挙げられた。当局もメディアもこぞって責任を中国に押しつけてきたが、国際環境ＮＰＯグリーンピースが４日、ハーバード大学のダニエル・ジェイコブ教授（環境学）らのチームによる研究結果として、「韓国のＰＭ２．５は過半数が韓国産」と発表した。
　それによると、韓国で検出されたＰＭ２．５の主な発生源は自動車、工場、石炭発電所で、韓国産の割合は５９％（２０１１年ベース）に上る。韓国のスモッグ汚染は、経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）加盟国の中でも重度にあたり、１２年の統計によると、ソウル市のＰＭ２．５の年間平均値は１立方メートル当たり２５．２マイクログラム、ニューヨーク、ロンドン、パリよりもかなり高かった。
　韓国ＹＴＮテレビは４日、「韓国人は今まで大気汚染物質は『中国から飛来した』と思い込んでいたが、実は違っていた」と報じた。グリーンピースによると、韓国政府の資料ではＰＭ２．５の発生源は最大で７割が韓国だと示しており、「真実をきちんと国民に伝え、相応の警報を出すべきだ。韓国のＰＭ２．５に対する規制は甘すぎる。国際水準まで引き上げる必要がある」としている。
　韓国政府は石炭発電所の増設計画も打ち出しているが、グリーンピースはこれも撤回するよう求めている。韓国ＫＢＳテレビによると、グリーンピースは石炭発電所から排出されるＰＭ２．５により毎年少なくとも６００人が、脳卒中や虚血性心疾患、慢性呼吸器疾患、肺がんなどで早期に死亡している。石炭発電所の増設計画が実施されれば、２０２１年には年間２８００人が早期に死亡するとみられている。
　（編集翻訳　小豆沢紀子）