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第二十五回 大塚家具の「お家騒動」に見る経営陣と株主の関係性

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第二十五回 大塚家具の「お家騒動」に見る経営陣と株主の関係性

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 第二十五回 大塚家具の「お家騒動」に見る経営陣と株主の関係性

 大塚家具という会社があります。家具屋さんです。上場企業です。
 そして今、企業の支配権を巡って、骨肉の争いが報道されています。

 3月27日の株主総会で、企業側(現社長)の主張と創業者(元社長)の対立する意見のどちらが過半数を取るのか。過半数の株主の賛成を押さえた方の主張が通るのです。

 そこで、相互に株主に対して自分の主張に賛成するように働きかけが行われています。自分に投票権を委任してくれと。これを委任状争奪戦「プロキシーファイト」といいます。

 これまで「プロキシーファイト」というと、企業が溜め込んだ利益を株主のために吐き出せ、嫌だ、といったヘッジファンドと企業側の戦いや、競合他社との合併を仕掛けたい経営陣とそれを嫌がる創業家の争いなど、微妙にいかがわしい案件が多く報じられたことから、ちょっと印象が悪いです。

 まして今回は、親娘で対立し、相互に相手を解任するなど、ちょっと派手な展開だということもあって、一層これを揶揄する向きが多いようです。

一般にはどうでしょうか

 大方の企業人は、自社の株主総会では波風の立たない、いわゆるしゃんしゃん総会を願うのではないでしょうか。「だって部外者にごちゃごちゃ言われたくないし。変な風評が立ったら営業にも響くし。親娘でつかみ合いの喧嘩してるみたいで恥ずかしいし。こんな状況、もう嫌」って感じ。

 しかし一部の報道では、これを日本の企業統治に対する問題提起と前向きに捉え、注視しています。私も立場的にはこちらに近いです。
 

 企業は株主のものです。

 そして、経営者が株主のために従業員を雇って仕事をさせています。もともとの成り立ちからして、経営者は株主の代理人、社員は株主の公僕なのです。

 先の見えない経済動向の中、少しでも成功し、業績を改善し、企業を繁栄させるにはどうすべきか。正解は後になって結果が出てからしかわからない中、リスクを取って自分の見識に賭けていくのが経営者の正しい姿です。

 しかし、それが自分1人だけの独断に偏ってしまっては反省の機会もなく、路線転換のきっかけもなく、過去の惰性に流されがちな経営になってしまうかもしれません。

全く別の考えを持つ有力な対抗馬が現れたら?

 大塚家具の二人の経営者は、それぞれ方向性の違う経営方針を立て、お互いに譲り合わず、折り合いもつかず、真剣勝負をしています。それだけ、自社と経営の決断を重要なものと考え、大事にしているのです。

 二人は暗闘するのではなく、公開の場で正々堂々と戦い、皆の見守る中でどちらが経営権を握るのかを決めるのです。…

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