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製造だけでなく医療や教育の現場における3Dプリンターの活躍が、メディアの紙面を飾るようになってきた。また、近年では大手家電量販店で3Dプリンターの特設コーナーが設けられるなど、“個人でのモノ作り”も喧伝されるようになって久しい。
ただし、個人レベルの安価な3Dプリンターでは素材に制限があるなどして普及が進んでいないのが現状だ。そんな状況を打破するかもしれないのが、CNCマシンを搭載した多機能3Dプリンター『CNC Piranha Fx』だ。
■ 柔らかい金属も切削
製品の説明に移る前にCNCマシンについて説明する必要があるだろう。CNCマシンとは、コンピュータからの出力にしたがって立体物(あるいは平面物)を切削して、造形するマシンのことである。
工業の現場においては摩擦による熱を防ぐためにオイルを使って金属などを切削するが、個人レベルのマシンとなると柔らかいもの(木材など)にレーザーエッチングする程度のものが多かった。
個人での利用を想定されている『CNC Piranha Fx』では、この問題を解決。アルミや銅、真鍮といったモース硬度の低い金属の立体的な切削が可能になったのだ。搭載されるレ-ザーエッチングを使うことによって回路基板を彫ることも可能だ。
■ 高度なモノ作りを可能にするマルチマシン
切削に限らず、木材へのレーザーによる彫刻や革へのカービングといった、アナログ寄りの素材に複雑な模様を描くこともできる。
もちろん、基本となる3Dプリンター機能も搭載。デスクトップで描画したものを即座にプロトタイプとして造形することが可能だ。
この盛りだくさんの機能を使うことで、たとえばポリカーボネートのiPhoneケースを3Dプリントで出力し、ケースにはレーザーエッチングで画を描いて装飾し、角の部分にぴったりはまるような真鍮のバンパーをCNCで削りだして張り合わせるといった“高度なモノ作り”が可能になるのである。
『CNC Piranha Fx』は現在クラウドファンディングサイトの『Kickstarter』で資金調達中。出荷は米国のみとなるが、2,699ドルでレーザー彫刻、CNC機能、3Dプリンターが一体となったパッケージを手にすることができる。
このような多機能な3Dプリンターでできることは何か。個人で「すごいモノを作ることができる!」充足感だけには留まらないのだ。コンピューターやネットワークを使った個人によるモノ作り=ファブリケーションの第一人者である慶応大学の田中浩也教授に言を借りるならば、「物質の転送が可能になる社会」の実現である。…