政治そのほか速
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癌やHIV、うつ病など、250以上の疾患に効果があると指摘されている大麻。日本においては大麻取締法があるため、たとえ医療目的であろうと、臨床試験もできない。今後、ヨーロッパ各国やアメリカの幾つかの州、カナダのように、医療大麻は認められるのか。
前回は、日本でクローン病患者の成田賢壱さんの活動を記載したが、今回は、医療大麻を巡る日本の事情を見ていきたい。
大麻を5年間吸い続けた日本人難病患者が激白「クローン病に効いた」(前編)
都内で内科医を営む男性が、匿名を条件にして語ってくれた。
「医療大麻には反対する人も多いでしょう。例えば、医療大麻が認可されれば、末期がん患者の中には、高額な抗がん剤ではなくて、大麻による治療を選択する人が出てきます。抗がん剤だと、1カ月で何十万円もの薬代がかかりますが、大麻だと、仮に栽培が認可されるならものすごく安く済む。それだけ製薬会社が損害を被ります。そしてもちろん、製薬会社だけではなくて、病院側も痛手を受けます」
日本では、3人に1人が癌で死亡している。医療大麻が認可されることによって日本の医学界が受ける影響は計り知れないというのだ。アメリカの国立ガン研究所(NCI)は2011年、大麻の持つ抗がん作用を認めた。
抗がん剤だと、元気な細胞も傷つけるが、大麻はがん細胞だけに効くという研究結果も一部で発表されている。こうしたレポートを見れば、確かに医療大麻が認可されれば、抗がん剤ではなく、大麻を選択する患者は増えることだろう。
医療大麻を認可しないと日本は競争に出遅れる?
患者が自分自身で大麻を栽培する限りだと、製薬会社や病院の儲けにはならない。しかし、大麻の成分を取り入れた薬を開発すれば、製薬会社も儲かるのではないか。
実は、すでに世界各国の製薬会社が、そういう薬の開発に乗り出している。日本の製薬会社・大塚製薬も一足早く、2007年、医療用大麻「サティベックス(Sativex®)」のアメリカにおける独占的な開発・販売権を取得した。日本では、大麻取締法によって大麻の成分の入った薬を販売することが禁じられているため、その薬は入手できないが、医療大麻の認可国では販売・処方されているのだ。
「大塚製薬は先見の明がありましたが、医療大麻を早く認可しないと、日本の製薬会社は大麻成分の入った薬の開発では出遅れることになります。最近は、アメリカの各州で医療大麻が続々と認可されていますが、その流れを見て、それをビジネスチャンスだと捉えている企業も増えているみたいです」(前出の内科医)
医療大麻の解禁のために活動する成田賢壱さんは、カリフォルニアにて医療大麻解放に向けて活動していた際、「D」という団体からメールを受け取ったという。…