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●データ解析は「裏方」から「表舞台」へ
石川県金沢市で毎年開催される、メディアアートとクリエイターのための祭典「eAT KANAZAWA」(以下、eAT)は、IT黎明期の1997年から金沢市が主催し、行政が主体となってクリエイティブの情報発信を行うユニークな長寿イベントだ。
その特徴は、参加するクリエイターたちですら「これだけのメンツが集まる機会はなかなかない」と口をそろえていうほどの豪華なゲストに尽きる。eATは、その時代における旬な業界トップクリエイターが多数出演するという点で類を見ない。
今年のeATは、1月30日から2日間に渡って開催された。初日のメインイベントでもっとも注目を浴びたのは、菅野薫(すがのかおる)氏によるスペシャルセミナー「クリエーティブ・テクノロジストのコミュニケーション」だった。菅野氏は、大手広告代理店である株式会社電通でクリエーティブ・テクノロジストの肩書を持つ人物である。
「そもそも数学が大好きだった」という菅野氏は、父親の勧めもあって東京大学の経済学部に転向し統計学を学ぶ。そんな中、音楽活動に熱中して取り組む過程で現代音楽を作成するビジュアルプログラム統合環境として有名な「Max/MSP」(現在の製品名はMax)を駆使した音楽制作活動に傾倒。その経験が、電通での自然言語処理やデータ解析の研究開発業務へとつながっていった。
菅野氏が電通に入社した当初、自然言語処理やデータ解析といえばアンケート集計など、どちらかというと「裏方」に近い仕事がほとんどだったそうだ。転機が訪れたのは、本田技研工業(以下、ホンダ)から、同社が開発するカーナビゲーションシステムサービス「インターナビ(Internavi)」をプロモーションしてほしいという依頼が来たとき。同サービスに内蔵されるテクノロジーの1つ「インターナビ・フローティングカーシステム」は、走行データを時間や位置情報といったものにひも付けて記録し続ける。ユーザーが普段意識することはないが、システムはこれをインターナビ情報センターサーバーに定期的にアップ、VICS(道路交通情報通信システム)のデータと組み合わせて拡張することでより精度の高い交通情報を形成し、リアルタイムに適正な渋滞からの迂回ルート形成などを行う、質の良いナビゲーションサービスを提供する。
電通に課されたのは、これをどうやって魅力的なものとして大衆にプロモーションするかだった。…