政治そのほか速
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ハーレーダビッドソンといえば、ロングホイールベースのクルーザータイプの車体とVツインエンジンが代名詞だが、この「Project LIVEWIRE」はそのどちらとも無縁。ライディングポジションは緩やかな前傾姿勢となり、パワーユニットはエレクトリックモーター。当然、鼓動なんかない。既存のハーレーユーザーはおろか、バイクファンが果たして振り向いてくれるのか、不安でいっぱいだ。
しかし実車を目の当たりにし、走り出してしまえば、そんなネガティブなイメージは吹き飛んでしまった。これまでのことなど、どうでもいい。この電動バイク、純粋に面白い!
試乗したのはマレーシアのセパン・インターナショナルサーキット、その敷地内で公道走行を想定したロングコース。F1やmoto GPも行われる国際格式のレーストラックが走れるのでは? とレーシングスーツを用意し期待したが、無限(TEAM MUGEN)のマン島TTレーサー「神電」(SHINDEN)とはもちろん違う。
「Project LIVEWIRE」はまだ開発段階で発売されるかどうかも決まっていないが、ヘッドライトやターンシグナルといった保安部品を備え、テールエンドにはライセンスプレートホルダーもすでに装着されている。
公道走行を前提としたマシンであるのだから試すべきシュチュエーションは、市街地を走る様に交差点でのストップ&ゴーがあり、ほどほどの速度が出せる直線や連続するコーナーが体験できるコース。広大な敷地を有するここセパンサーキットだから、そんな理想的なコースが用意できたという訳だ。
跨るとまずライダーは、メインスイッチを押すところから始まる。スイッチボックス周りはこの車体では唯一と言えるのではないか、既存のハーレーのものが代用で使われていて、右側にあるRUNスイッチで電源がまず入る。
計器類は一切なく、ハンドルクランプの上にあるのはタッチパネル式カラーディスプレイで、起動後そこにバッテリー残量や電圧・温度、ECUの温度などが表示される。
次にライダーは画面上で「POWER RIDE」(フルパワー)か「RANGE RIDE」(スタンダード)のいずれかを選択する。これはバッテリー残量によって走行可能時間が表示される仕組みになっているから便利。現段階ではバッテリーが99%残っていたとしても、「POWER RIDE」で29分程度、「RANGE RIDE」でも59分程しか走れないようだ。…