自衛隊に「良い印象」９２％（内閣府調べ）――。そんな好感度をドカンと下げかねないゴタゴタが起きている。
　海上自衛隊の厚木航空基地所属の女性幹部にパワハラ疑惑が浮上。スッタモンダの揚げ句、海自の“内紛”にまで発展しているというのだ。

　コトの発端は昨年６月上旬、ネット上の掲示板に〈（女性幹部の）パワハラが酷くて困っています〉と書き込まれたことだ。海自関係者が語る。

「自衛隊員らが利用する匿名掲示板で、部下の女性らがイニシャルを使って〈付き合っている彼氏を別れさせようとした〉〈自分が気に入らない隊員に配置換えや転勤を強要した〉など、女性幹部に対する不満をつづったのです。書き込みはすぐに女性幹部の目に留まり、そこから“犯人捜し”が始まりました」

■躍起になって犯人捜し

　女性幹部は部下を次々と呼び出して個別面談を行うなど、犯人捜しに躍起になっていたという。

「女性幹部は昨年夏ごろに、書き込みは情報の漏洩で、名誉毀損に当たるとして、神奈川県警に被害届を提出。結局、証拠がなく、被害届は受理はされなかったそうです。その後、書き込んだ部下の女性ら数人を特定し、今年になっていきなり名誉棄損で刑事告訴した。今度は警察が動き、部下の女性らは自宅の家宅捜索まで受けています」（前出の海自関係者）

　話は、厚木基地内だけにとどまらなかった。訴えられたうちのひとり、Ａさんが昨年、厚木基地とは別の基地へ異動に。

「Ａさんの新しい上官は女性幹部の訴訟の件を聞き、Ａさんの味方をすると話しています。『大弁護団を立てる』と意気込んでいて、基地同士の“内紛”に発展しそうなのです。『女性幹部をパワハラで告発する』などと言っている部下もいるそうなので、ドロ沼の展開も予想されます」（別の海自関係者）

　パワハラ疑惑の上官が被害者の部下を訴える。事実とすれば前代未聞だが、厚木基地の広報担当者は「その情報は入っていない」と否定も肯定もしなかった。
　成り行きが注目される。